第23訓 女心は木村カエラの髪型 ページ24
「あー、、、昨日俺なんかしたかィ」
「……何もしてない」
少し違和感を感じる言い方に顔を覗き込むが怒ってるわけでもなさそうだ。
「期待してたなら悪かったな」
「期待なんてっ!」
ビンゴ。
ニヤつきを隠さずにもう一度Aを見ると顔を真っ赤にして殴られた。
「いって、何しやがる」
「なんかムカついた」
「理不尽がすぎらァ」
「だって、、、私、知らない……こんな、こんな気持ち。自分が何考えてるかわかんない」
らしくない歯切れの悪い言い方に、突然自分の中の何かが焼き切れる音がして次の瞬間には欲望に任せるままAの口を追いかけていた
「ん」
最初は逃げる頭を追いかけて啄ばむように
何度もくっついては離れ、また合わさる
「んぅ、っふ」
そのうち深く後頭部を押さえつけながら床に倒れこむ
「怒らねェの?」
原田さんが言ってることがわかった。俺はこいつに愛想尽かされるのを恐れている、他の女たちのように一晩でポイなんてできない。勘弁してほしい。
「怒……れないみたい」
互いの唾液でテラテラと光る唇が小さく動く。
妖艶な女も整った女もごまんと居る
だが、そのどれよりもAが一番色っぽかった。
「今晩」
「え、今しないんだ」
「残念ながらゴム持ってないんでィ」
「うわぁ、リアル」
少しホッとしたように笑った顔は昔も見たことがあった。
「黒蝕」
ボソリと呟いてから昔と違って結われていない長い黒に指を通す。驚くほど指通りのいい髪は昔よく姉上が梳かしていた。
「懐かしいねそれ」
武州での日々を思い出すようにAは目を細めて、おもむろに俺の左手を両手で包んだ。
「この左手はずっと私のものだったね」
「これからもくれてやらァ、お前の右手と交換でィ」
「私のは利き腕なんですが」
「しーらね」
それから思い出したようにAが右手にも手を伸ばして宇宙のチンピラとやり合った時の傷を撫でた。
「穴あきっぱなしじゃなくて良かったね」
「それは勘弁でィ」
口では軽く言うのにあまりにも冴えない顔をするからかける言葉がすぐには見つからず空いた左手でそっと頰を撫でた。
「俺ァ強い。だから心配すんな」
「知ってる。だから心配なんだよバカ」
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愛総(プロフ) - おひるのかねさん» ご指摘ありがとうございます!誤字だらけでごめんなさい泣 この後も誤字ってると思いますが、大目に見て頂けますと幸いです! (2月11日 2時) (レス) id: 7df001d406 (このIDを非表示/違反報告)
おひるのかね - コメント失礼します。いつも楽しく拝見させていただいております。 第一訓の「伊三郎」は「異三郎」ではないでしょうか? (11月19日 17時) (レス) @page2 id: 917478dea8 (このIDを非表示/違反報告)
愛総(プロフ) - めぐぽん(*´・∀・)さん» こんばんは!コメント有り難う御座います。当方連載中のシリーズになってる血風帳、剣風帳とは繋がっています!(シリーズ一覧からご覧ください)その他の私の作品とは繋がっておりません。こちらで回答になってますでしょうか (2023年3月18日 4時) (レス) id: 7df001d406 (このIDを非表示/違反報告)
めぐぽん(*´・∀・)(プロフ) - こんばんは^_^はじめまして。このお話って他の作品と繋がってますか?急な質問、すみませんm(__)m (2023年3月17日 23時) (レス) id: baf8bee298 (このIDを非表示/違反報告)
愛総(プロフ) - 雪妃さん» あけましておめでとうございます。もったいないお言葉ありがとうございます!一層精進いたしますので今年もよろしくお願いします。 (2018年1月1日 12時) (レス) id: f37a23b178 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:愛総 | 作者ホームページ:https://twitter.com/iso_0708/status/1468333379636834307?s=21
作成日時:2017年12月28日 2時