第17訓 昔話は酒のつまみ ページ18
『兄ちゃんを数えなければ総悟が初恋』
簡潔にいえばAにとって兄貴が初恋であるということだ。
Aはどちらかといえば土方さんよりもさらに上の腹違いの兄、為五郎さんの方によく懐いていた。
乱暴で粗野な兄より優しくて大人な兄
しかしある時期以来唯一の肉親である土方の後をついて回るようになった。
……らしい。あくまで土方さんから聞いた話だ
俺とあいつが出会う前の話。
当時11歳の土方さんに対し俺と同い年のAはまだ2つで、暴漢が村に来た時のことは覚えてないそうだ。
俺もまだ、隣村のガキでその時のことは直接は知らない。
先ほども述べた通りあくまで全て土方の話だ。
「懐かしいなぁ、バラガキっつーのは副長のことじゃなくて土方兄妹の総称だったんだよな」
家に寄り付かなくなった兄の背中を追いかけてAも次第に喧嘩を覚えたそうだ。
二人がその名を轟かせ始めたのはAがたったの10の頃で、長い黒髪から2人の喧嘩は黒蝕と呼ばれるようになった。
兄貴が暴漢を切りつけた時よりもさらに幼い年だった。
ここら辺からは俺も覚えてる。
「初めてあいつらが来た時原田さんいやしたっけ?」
「いんやーそん時はいなかったな。後からAちゃんのこと見てビックリしたんだよ。バラガキやら、黒蝕なんて物騒な名前が当てはまらねぇ女の子だったからよ。Aちゃんなんて、本当にちっこかっただろ」
それこそ始めはギラギラさせていた目つきを、先に解いたのは妹の方だった。
近藤さんにほだされるのも周りに馴染むのもAの方が圧倒的に早かった。
"妹を守らなければならない"そんな兄貴の警戒心の強さだろうか。
『沖田先輩』あいつはすんなりとそう呼んで見せたし、悪巧みもうまかった。そう思うと俺たちも成長したもんだ。
まさか恋人なんてもんになるとは
「今日はもうお開きにしやしょう」
「あぁ、そうだな。くれぐれもAちゃんの部屋にいかねぇようにな」
「わかってやすよ」
少し、一人で昔のことを思い出したいと思った。
記憶に生きるあの頃の自分とA、そして姉上、忘れてないか確認したくなった。
第18訓 兄弟は結婚できない→←第16訓 酒をきっかけにするのはやめておけ
260人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
愛総(プロフ) - おひるのかねさん» ご指摘ありがとうございます!誤字だらけでごめんなさい泣 この後も誤字ってると思いますが、大目に見て頂けますと幸いです! (2月11日 2時) (レス) id: 7df001d406 (このIDを非表示/違反報告)
おひるのかね - コメント失礼します。いつも楽しく拝見させていただいております。 第一訓の「伊三郎」は「異三郎」ではないでしょうか? (11月19日 17時) (レス) @page2 id: 917478dea8 (このIDを非表示/違反報告)
愛総(プロフ) - めぐぽん(*´・∀・)さん» こんばんは!コメント有り難う御座います。当方連載中のシリーズになってる血風帳、剣風帳とは繋がっています!(シリーズ一覧からご覧ください)その他の私の作品とは繋がっておりません。こちらで回答になってますでしょうか (2023年3月18日 4時) (レス) id: 7df001d406 (このIDを非表示/違反報告)
めぐぽん(*´・∀・)(プロフ) - こんばんは^_^はじめまして。このお話って他の作品と繋がってますか?急な質問、すみませんm(__)m (2023年3月17日 23時) (レス) id: baf8bee298 (このIDを非表示/違反報告)
愛総(プロフ) - 雪妃さん» あけましておめでとうございます。もったいないお言葉ありがとうございます!一層精進いたしますので今年もよろしくお願いします。 (2018年1月1日 12時) (レス) id: f37a23b178 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:愛総 | 作者ホームページ:https://twitter.com/iso_0708/status/1468333379636834307?s=21
作成日時:2017年12月28日 2時