真選組血風帳 壱【沖田総悟】

第14訓 トイレに女神様がいたら男はちょっと恥ずかしい ページ15

雑用係1日目


「トイレーにはぁーーそれはぁそれは綺麗なー」


デケェ声で歌ってるのは神山だ。俺は戸の外に立って携帯をいじっている。


「沖田隊長終わりましたっ」

「おー、ごくろーさん。じゃあてめぇは自分の持ち場に戻れィ」

「えぇーーせっかく沖田隊長の分やったんですからご褒美欲しいっす」


「うるせぇさっさと片さねェと清蔵さんからの仕置があるぜィ」




掃除に関してはとことん厳しい彼の仕置は流石に恐ろしいのか神山もおとなしく自分の持ち場に帰った。
それにしたって屯所のトイレの数百倍綺麗で助かる。

俺は自分でやらねェから関係ないが


さて、トイレの神様に気に入られたところで部屋に戻るか。



「あ、土方」


庭の掃き掃除をしていたAと何か話しているようだった。


あの兄妹は喧嘩もするが基本的には仲がいい。
姉上と俺も側から見ればこんな風に見えたのだろうか。


少なくとも、土方と姉上はいつも……やめだやめ。



「死ね土方」



手近にバズーカが無かったためトイレ掃除に(神山が)使っていた柄付きたわしをなげてみた。

「ちっ」


まっすぐ飛んだタワシだが間一髪で避けられ側にあった落ち葉の山に突き刺さる。



「てめェエエェ総悟おおおおおおおお」


近ぇんだよAと。何が兄貴だ糞食らえ。


ブチギレてる土方の隣でAが親指を立てているのが見える。


なるほどどうやら説教垂れてたらしい。


それにしても目が良くてよかった。あいつの小さな手が3階から見えるなんて俺もなかなか驚異の視力だ。



さて、土方がここに来る前に俺はお暇しよう。

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