あなたのことは苦手です。〈佐野玲於〉

▽　you ページ18

今日もやって来た、この時間。




でも、私には今日、佐野さんにちゃんと話すことがある。




『佐野さん？』




玲「ん？」




『あ、あの、こんなこと言ったら変かもしれないですけど、私佐野さんのおかげで変われました。昨日、笑うことが増えたねって言われたんです。きっと佐野さんのおかげだと思います！ありがとうございます！』




しまった。




興奮のあまり、ダンプカーのようなスピードで突っ込んでしまった。




あれ？




でも普通に話せるようになってる？




というか、話しかけられるようになった？




やった、進歩進歩。




『すいません、突然。でも伝えたかったので。あ！それと！』




玲「う、うん」




『私、佐野さんのこと苦手だったんですけど、今は好きです！』




玲「…はっ！？ちょっ、なに言ってんの！？」




『良い仕事仲間になれそうです！』




玲「なんなんだよ、お前…」




なんか余計なことたくさん言った気もするけど、良かった




玲「……ふっ、変なやつ笑」




『笑った……』




玲「そりゃ笑うだろ、人間だから」




『どうしたんだろう……』




玲「は？」




大変だ、これは…




完璧だった未来予想図を自分で壊しそうです。

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