昔のあの子は２ ページ10
光side
俺と基山は教室を出て、廊下を歩く。
「深海さんって、どんな人？」
「噂じゃあ、明るくてかわいいって言うやつ多いけど、実際にそんな話したことないねんな」
「白浜と仲いいのに？」
「去年は白浜とは一緒やったけど、深海さんのことは全く知らんかってんな。従妹がこの学校にいるってことも深海さんがあいつに話してて知ったし」
俺は白浜のことを意外だと思った。
自分の思ったことをすぐに言うやつだと思ったから。
俺は白浜とは逆だ。
自分の思ったことを言えずじまいに留まってしまった経験があったから。
(あいつ、絶対俺のこと、憎んでるよな…)
昔、仲の良かった子のことを思い出した。
すると、
ドンッ
「！？」
俺を横切った女子生徒と肩がぶつかる。
彼女は急いでいる様子だった。
「ご、ごめんなさい…」
そう一言言って去っていく。
「大丈夫か？」
「ああ」
俺はただ、じっと彼女が行った後を眺めていた。
「どないした？」
基山が声をかけ、確かめたいことがあった。
「そう言えば、白浜の従妹の名前って？」
「本名は知らんで。深海さんは『ユウ』とか言うてたけど」
「そっか…」
(いるわけ、ないよな──)
少し白みがかった黒髪がどことなく昔に仲の良かったやつに似ていた。
ただ、それだけだった。
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春やよ(プロフ) - ながれさん» ありがとうございます！更新遅いですが、頑張ります！！ (2017年7月8日 22時) (
レス) id: 2de034be92 (このIDを非表示/違反報告)
ながれ - 台本書きじゃないって素晴らしい！面白いです。更新頑張ってください。 (2017年7月1日 14時) (レス) id: 0074eb723f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：春やよ | 作成日時：2016年7月14日 1時
