【あんスタ】無気力なワルツを【瀬名泉】 (ページ7)

今日:3 hit、昨日:0 hit、合計:823 hit

dancing 6 ページ7

「…」

「これのどこが大丈夫なわけ？」

持ち上げられた私の痛々しい腕を見ながらワカメ先輩は言った。
元はと言えば、貴方のせいなんですが…。
とは言えない。絶対、面倒くさい。

「と、とりあえず、保健室に行こう！」

「…ん」

こうなってしまってはここで帰ると言い張る方が面倒だ。
仕方ない、素直に保健室へ行ってさっさと処置して帰ろう…。

廊下の先へと歩き出したうっき～の跡を追うように足を進める。

「ちょ、ちょっとゆうくん！？そんな女と二人きりで保健室へなんて何考えてるわけ！？ありえない！」

後ろでワカメ先輩が何やらぎゃあぎゃあ騒いでいるけど、今振り向いたらきっと凄い形相をしてるだろうから無視するに越した事ないな。

という事で結局一度も先輩を振り返る事無く保健室へと辿り着いて、佐賀美先生にどやされつつも処置して貰ったのだが。

「あの女、ちょームカつく。…一回泣かせてやらなきゃ、俺の気が済まないよね」

この対応が更に事を悪化させるなんて、この時の私は考えても居なかったのだ。

翌日

欠伸を噛み殺して自分の先へと着席した。

「おはよう、Aちゃん。って、その手どうしたの！？」

既に着席していたあんずは私の包帯に包まれた右手を見て驚いていた。

「あーあんず、おはよう。いやぁ、昨日廊下で派手に転んじゃってさ…」

昨日の不愉快な先輩の顔が一瞬思い浮かんで眉間に皺を寄せる。
あのワカメとはもう二度と関わりたくない。

「席つけ～。ホームルーム始めるぞ～」

ゆるーい感じで教室へ入ってきた佐賀美先生から今日の連絡事項をゆるーく説明され、ゆるーい1日が始まろうとしている。

「あ、須川。ちょっと来い」

「？」

呼ばれた。
なんだろう。

「これ、お前に渡しておくな」

「…これって」

Trickster、UNDEAD、Knights…。
手渡された分厚い資料には様々なエンブレムと共に生徒の顔写真と名前が書かれている。

「この学園のアイドルユニット一覧だ。どうせ、聞いただけじゃ覚えらんねぇだろ？これからプロデューサーとして仕事しなきゃなんないからな、ちゃんと覚えとけよ？」

「マジか…」

軽い絶望を覚えながら再び手元の一覧表に注視する。
何人居るんだよ…。
これ全部覚えろとかダルいんだけど…。

…あ、明星くん達みっけ。
やっぱり同じユニットだったんだ。
なになに…『Trickster』か。
へぇ、あの3人以外にももう一人いるのか。