act.33 ページ34
NOside
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あんず「…泉先輩」
誰もいない夕陽が差し込む廊下。
あんずの声は、真っ直ぐ泉のもとへ届いた。
泉「何。俺に、何か用でも?」
変わらず素っ気ない声色に、あんずは静かに唇を噛む。
あんず「何で…何で、A先輩とまた仲良くしてるんですか?泉先輩は今は私の彼氏でしょ!?」
泉「だから何?俺はあんたに強要されたから別れただけ…はき違えないでよ」
睨み付けて淡々と発せられた言葉に、あんずが俯く。
あんず「分かってます…でも、何で気づいてくれないんですか、まだ伝わらないの、?」
泉「っ……」
あんず「私だって…、もっと早く出会ってれば…!!」
あんずの目からは涙が止めどなく溢れていた。
泉「ごめん、俺の気持ちは変わらない、から…」
そう言って、去っていく泉。
泉「……そんな事言われたら…困るでしょ…」
あんずの本心を映し出した言葉に、少なからず泉の心は揺れ動いてしまったようだった。
泉side
*** ** *** ** *** **
A『あ、泉!』
渡り廊下へ出ると、パタパタとAが駆け寄ってきた。
(A…あんずにあんなこと言われたら気まずくなる…)
A『あの…よかったら一緒に帰らない?』
控えめに言ってくるA。
折角の誘い、なんだけど。
泉「……ごめん、A。今はちょっと、そういうの辞めてくれない?」
(ちょっと俺、何言ってんの…)
口から出た言葉は、自分が思った以上に冷たくて、突き放してるようだった。
泉「ごめんA、違くて__」
A『それって…あんずちゃんと付き合ってるから?』
泉「は?」
Aを見ると、握りしめている手は少し震えていた。
(違う…俺は…そんなこと考えてない)
初めて向けられた、泣きそうなAの声。
誤解をとくためにはどう伝えればいいのか、よく分からない。
俯いて黙っていると肯定と見なしたのかAが続ける。
A『何か言ってよ…意味わかんない。私の気持ちなんか考えてないんでしょ…!?』
(なに…それ)
怒りが込められたその言葉に、俺の中の何かがプツッ、と切れた。
(俺は、Aを守るために、Aと別れた…あんたのことしか頭になかった。だけど)
泉「あんたこそ、俺の気も知らないでよくそんなこと言えるよねぇ…そういうトコうざぁい」
思ってもいないのに、溜まっていた鬱な部分が言葉となってどんどん出ていった。
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M!LK(プロフ) - あおいさん» コメありがとうございます!確かにそれぞれのENDも見たいですね、、、!凛月や王さま、零や泉、それぞれキュンキュンできるように頑張りますね!引き続き楽しみに待っていてください! (2020年3月12日 16時) (レス) id: 1b4521cc4b (このIDを非表示/違反報告)
あおい(プロフ) - う〜ん!いろんなENDが見たくなっちゃいます!!!!凛月も王さまも泉さんも零も見たいです!!最新楽しみにしてます!頑張ってください!! (2020年3月12日 2時) (レス) id: 456648e3b3 (このIDを非表示/違反報告)
M!LK(プロフ) - さまこ人間失格さん» さまこさんありがとうございます〜!楽しみが半減しちゃうかもしれないので言えませんが、、、楽しみにしててください!もっと早く更新できるように頑張ります! (2020年3月11日 21時) (レス) id: 3afeea2cde (このIDを非表示/違反報告)
さまこ人間失格(プロフ) - すごく面白いです!個人的に瀬名先輩と夢主がよりを戻すのを期待しています!更新待っています!頑張ってください! (2020年3月10日 23時) (レス) id: 97a76333d2 (このIDを非表示/違反報告)
M!LK(プロフ) - はやみんさん» はやみんさん、コメントありがとうございます!頑張ります〜♪ちなみに使わせて頂いた言葉はミゲル・デ・セルバンテス という方のものです! (2020年2月27日 21時) (レス) id: 3afeea2cde (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:M!LK x他1人 | 作成日時:2020年1月19日 13時