【ペルソナ5】秀尽学園の佐倉さん。 (ページ30)

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ふと目を開けると、何故かすぐ近くに見覚えのある仮面をつけた暁がこちらを覗き込んでいた。

このホラーの館でやっと知っている人に会えた…！！

安心と恐怖で頭がこんがらがり、とりあえず暁に抱き着いた。

無理無理ホントに無理一人でいたら確実に死んでたろアレ

なに、もう一人の自分に助けられたの？私は

泣きながら無理無理と呟き続けていると、暁が頭と背中を優しく撫でてくれた。

直後、聞き覚えのある声が耳に入る。

「起きたのかA！…って、取り込み中か…？」

「いや、来てくれ」

ふと顔を上げて暁の顔に目を向けると、暁は無言でしゃがみこんでしまった。

すると、仮面をつけた男女が駆け寄ってくる。
モルガナも一緒だ。

一瞬何者かと思ったが、髪型ですぐ分かった。特に杏は。

「ジョーカー…は置いといて、なぁA、お前なんかアプリ起動させたりしたか？」

『あ、赤いアイコン…ほら、杏に聞いてたアプリが私の携帯にも入ってて…ちょっと触ってはいたけど…』

「その時何か言わなかった？別荘とか、学校の名前とか…」

『私は皇の名前しか…けど、隣のクラスで談笑してた女子がそんな事を言ってたはず…』

「…その声を、アプリがひろっちまったってわけだな」

ついて行けば迷惑がかかるからここに残っていようかと言うと、オタカラを盗むとこのパレスが壊れるためそれは危ないと言われた。

結局ついて行くことになり不安に思ったが、何とかついて行くことは出来た。

たどり着いたのは大きな扉の前。

『…これって、言ってた選択の…』

"養子"と"実子"と書かれたパネルが並んでおり、暁が迷うこと無く養子と書かれたパネルに手を触れた。

すると大きく重そうな扉が開き、部屋には溢れんばかりのトロフィーや金貨、装飾品が溢れかえっていた。

中心には、厳重に保管された写真のようなものが置かれている。

暁達がオタカラに目を奪われている間に、後ろから嫌な音が近付いてきた。

私が振り向くと、そこには大剣を振り上げた偽物の皇が居た。目が黄色になってギラついている。

矛先は暁に向けられており、私が暁の腕を引いて床に倒れ込んだ瞬間に大剣は床に刺さった。

さっきまで暁がたっていた場所だ。

「大丈夫かジョーカー！ナマエ殿！」

「大丈夫だ。ありがとう、A」

『あ、うん…』

私は近くの柱の影に隠れるよう、モルガナに指示された。