灰崎くんと義足ちゃん Part3

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それから私は枷をつけられて生活するようになった

右の手首と左の足首に枷がついている

あの時、雨に当たっていたのにすぐに風邪を引いたりはしなかった

ただじわじわと具合が悪くて苦しい

枷をつけられてから、祥吾はいつも通り接してくれるようになった

もう気まぐれで暴力を振るわれないから、それを考えれば枷くらい良い気がする

逃げない安心感みたいなものがあるのだろうか

…何でそんなに私を閉じ込めるんだ？

でも、閉じ込められて抱かれて暴力を振るわれて枷をつけられても何故か抵抗できない

抵抗できないっていうか、する気が起きないっていうか…

何でだろうな

逃げたのは暴力が嫌だったからで、祥吾が嫌だからじゃない

ここまでされても祥吾を嫌いにならないって、ヤバくないか？

どんだけ祥吾のこと好きなんだよ


貴「は…っ、は…げほっ、けほっ……げほっ、」


苦しい…

さっきも飲んだけど飲んで良いかな

いや、ダメなのは分かってるけど…つらい…

………もう少し我慢して、ダメだったら飲むか

熱…あんのかな……

微熱だったら自分じゃ分かんないしな

この間風邪引かなかった分がじわじわ少しずつ来てるからよく分からない

どうせなら一気にきてほしい

しんどい…

…………祥吾はまだ帰ってきてない

…もう少ししたら…でもないか

まあ帰ってきたからって何をするわけでもないけど

一人でいるのは退屈だから、どうせなら二人でいたいだけ

一人でいたって考えるのは嫌なことばっかだし

もう暴力を振るわれることもなくなったから、早く帰ってきてほしいなとは思う

抱かれるならそれで良い

一人の時間が堪らなく退屈で、余計な事を考えてしまうから…そんな時間を減らしたい


貴「げほっげほっ、げほっ、ごほっ…はぁっ、はッ…げほ、けほ、けほっ…げほっごほっ…」


…………ダメだ、薬飲もう

本当はダメだけど…これは、仕方ない

私は自分にそう言い聞かせてピルケースから薬をざらりと取り出して水で流し込んだ

いつも飲んでいる薬と、それから睡眠薬も

祥吾が帰ってくるまで寝よう

薬を飲んでから少し経つと、睡魔に襲われる

ぐらぐら揺れる身体を倒して、睡魔に身を委ねた

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