9話 ページ10
中国が家に向かって走って行った後、私と台湾…さんが取り残された。
「私台湾ヨ!あなたの名前は?」
「あ、私の名前は一条Aです」
「名前的に日本さんちの子だネ!私の家でも日本の文化は人気ヨ。私、日本のアニメ大好きヨ!」
なんか嬉しい。自分の国のことを褒められると。前、英語部の子たちが「外国人が漫画好きだったりすると嬉しい」って言った気持ちが分かった。
「あ、あと、A、私のこと呼び捨てでいいヨ!それにおんなじ女の子同士だしもっと気軽に話そうヨ」
「うん!わかった、台湾」
中国はどっちかって言うとカッコイイ系の美人さんだけど、台湾はカワイイ系の女の子って感じだ。というかどことなく真里奈に似ていて親近感がわく。多分この子も私よりはるかに年上なんだろうけど…
「じゃあ早速出掛けるヨ!えっと私のオススメは○○の△△って店だヨ」
あれ?今のって中国語?
今更気づいたけど、中国や台湾って日本語で話しているように思ってたけど、この人たち日本語話せるの?私が日本人だから?いやでも、二人とも名乗るまで日本人って分からなかったし…
「ねぇ台湾、今何語で話してるの?」
「中国語だヨ!あ、一般人にはよく聞かれるけど、私たち国が話してる言葉は自動的に聞く人の言語に変換されるんだヨ。逆に、今Aは日本語で話してると思うけど、私とセンセにとってはちょっと鈍った中国語に聞こえるヨ。ちなみに日本さんも、Aと同じ話し方するヨ」
「そ、そうなんだ…!?」
「でも挨拶とか地名とかはなぜか変換されないシステムだヨ」
…なんだシステムって。
もはやこの世界、何でもありな気がする。
「でも、外国人の一般人同士は勿論通じないヨ。国と一緒にいると外国人の一般人ともお話しできるけどネ」
…いやもうもはや、何があっても驚かない気がしてきた。
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