6話 ページ7
「…で」
私は次に解決しなければならない問題を探した。
「ここってどこですか?」
「我の家…あ、我にとっては家は国のことある。つまり中華人民共和国の、北京郊外あるね」
「え、北京…?」
なんだろう、北京って言葉が引っかかる。
いや待てよ、そもそもなんで北京なんかに?
「私、さっき言った通り日本人で東京に住んでます…ってこの世界でも東京ってありますよね」
「勿論ある。日本の首都あるね?我も何度も行ってるあるよ。我は実は京都の方が落ち着いていて好きあるが」
北京もあるし、東京も京都もある。
この世界は私ご前までいた世界とは、地理的な名前とかは変わらないようだ。
「あー…私その東京にいて…東京って日本なのに…なんで中国の北京に?」
さっきから妙に北京って言葉が引っかかる。
「それに…なんか北京って聞くと…なんか釈然としないというか…何かが胸に引っかかるんです」
「…お前、前の世界でよく北京に行ってたとか、なんか北京にまつわる思い出でもあるんじゃねーあるか」
「うーん…。北京…」
だめだ、思い出そうとすると頭がズキズキする。
「…ごめんなさい。思い出せません」
「…無理に思い出す必要はねーある。ただ…一つ問題があるあるよ。お前、どうやって元の世界に帰るあるか」
「…」
「…提案あるが、その方法が分かるまで、しばらく我の家にとどまらねーあるか?」
「え、いいんですか?」
「あ、この場合の家っていうのは本当の住居のことある。我たち国は、国であること以外はお前らと同じある。ご飯も食べるあるし、家も持ってるあるし、風邪だって引くある。滅亡…つまり、国が無くなったら死ぬある」
「滅亡…。ってことは、日本とかってずっと昔からあるわけですから、日本の化身って…何歳なんですか?」
「あいつは子供に見えてかなり年取ってるあるよ。我があいつと会ったのは…2000年くらい前あるね」
「はっ!?2000年!?ってことはあなた何歳なんですか…」
「昔すぎて忘れたあるが…4000年は経ってるあるね」
「え…」
私は目の前にいる人…いや国…をまじまじと見つめた。
いや普通に私たちと同じくらいに見えるんですけど…
「すみません…高校生くらいだと思ってました」
「随分若く見られたあるな〜嬉しいある!我も若作りが上手くなってきたある。あ、でもあんまり年とか気にするなある。普通に接してくれていいある。」
【作者ただ今インフル…が治ったけどまだ休まなきゃいけない…皆様もお気をつけて】
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