第55振 涙の痕と胸の内←俺は…(山姥切side) ページ11
山姥切side
ーー今、荷葉が情緒不安定らしい。本人が言うのだから、間違いないだろう。…何故俺を、部屋へ引き込む必要があった。俺でなく、他の者の方が適任だろうに。俺で良かったのか??
A「…ゴメン、まんばくん。泣いてしまって…」
俯きながら、ぼそぼそと話す荷葉。耳まで赤くなっている事から、照れているのだろう。俺は構わないと答えると、顔を少し上げた。なにがあったのかと問うと、思い出したかのようにますます赤くなる。
A「ーーある人に…告白ではないんだけど、好きって言っちゃったの。恥ずかしいし混乱してきて、逃げてきちゃった…。自分の言動に、もう訳がわからなくて…」
あああああ…!!とか言いながら顔を両手で隠し、悶えている。…ご乱心のようだな。
A「まんばくん、なんか失礼な事思わなかった??例えば、ご乱心だとか」←
何故わかった!?…ぽーかーふぇいすとやらで誤魔化すが、荷葉はその通りだけどと納得してしまった。…自分で納得するのか。
A「いやぁ…!!どんな顔をして会えば良いの?!毎日会うのよ!?もう、部屋から1歩も出たくない…!!仕事もしたくない!!」←
山姥切「引きこもりにーとか」←
そう言うとAは、“私は、某六つ子と違う!!”と叫んだ。…なんだそれは。やっぱり、ご乱心だな。
A「あぁ…。審神者も仕事みたいなものでしょ??書類??もうね、筆で書くなんて…」
手が墨だらけ。そう言いながら、苦笑を漏らす。Aは、そうだと言わんばかりに此方を見る。
A「まんばくん、歌仙さんが布を洗わせてくれって言ってたよ??」
無理だと答えると、だろうねと返ってきた。
A「まんばくんさ、格好良いから。布を取った姿も見たいなぁ…。…駄目??」
山姥切「写しの俺の姿など…」
A「写しと言うのは、私にはわからないけど。まんばくんは、まんばくんでしょ??私の目の前に居る
荷葉に言われ、すっと肩の荷が降りた気がした。兄弟たちにも、国広の最高傑作だと言われた事がある。少しは自信に変えても、良いのかもしれない。
A「まずは、布を起きてる間に洗濯して貰えるまでになれば良いね」
荷葉は、微笑みながらそう言った。…励ますつもりが、逆に励まされてしまったか。
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作者名:葦原 さくら | 作成日時:2018年4月13日 9時