愛情至上主義 2 (ページ11)

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紫side

もうすぐ、ひとつの恋が結ばれる。

今日、しげが神ちゃんに告白すんねん。

神ちゃんからも相談されてて、神ちゃんもしげのことが好きなんやって。

両想いなんやから、余っ程のことが無い限りくっつくやろう。

しげの恋を、メンバー全員が応援してて。

さっき5人で楽屋の外に出て、わざと神ちゃんとしげを2人きりにさせた。

結果はしげから連絡が来るから、それまで自販機の傍の椅子に座って、みんなで待つ。

桃「しげほんま、あいつ恋する乙女みたいな顔してたな。」

橙「ふ、メンバー内恋愛禁止って、あいつが1番言うとったのに。」

黄「ま、ええやろ。あそこの絡みは見てて微笑ましいし。」

紫「なんか俺まで緊張してきた…」

青「そうやねん、俺らが告白するわけちゃうねんけどな。」

なんて呑気に会話してたら。

楽屋から神ちゃんが飛び出してきて、そのまま俺らの前を走って行ってもうた。

橙「え、」

神ちゃん、泣いてた気がする。

そしてしげからは、「みんなごめん」って一言だけメッセージが送られてきた。

え、何があったん。

みんなが楽屋に戻ろうとする。

俺は神ちゃんを追いかけよう。

紫「俺神ちゃんのとこ行ってくる。」

橙「頼んだ。」

神ちゃん、どこ行っちゃったんやろう。

さっきちらっと階段を登っていくのが見えたから、屋上とかかな。

やっぱり、神ちゃんは屋上に居て。

屋上の扉の傍で、小さく蹲っていた。

紫「神ちゃん。」

神ちゃんからは何も帰って来おへん。

そっと隣に座って。

紫「神ちゃん？どうしたん。」

緑「俺、俺っ、ほんまにしげのこと好きやのに、さっき、しげに、嘘の告白されたっ、」

神ちゃんの声は震えてて、鼻をすする音が聞こえてくる。

しげにも相談されてるから、しげの気持ちは嘘やとは思えへん。

紫「なんで嘘やと思うん？ほんまかもしれんで？」

緑「…今日、エイプリルフール、やから、」

…すっかり忘れてたわ。

緑「しげに気持ち弄ばれたのにイライラして、俺もしげに酷いこと言っちゃってん、」

紫「あんな、神ちゃん。しげ、本気やねんで。」

緑「へ、？」

紫「実は俺ら、しげに相談されててん。今日を選んだのは、ほんとにたまたまやねん。」

緑「…俺、しげに酷いことした、」

紫「いや、神ちゃんは悪ないで。楽屋、戻る？」

緑「しげ、怒ってるかな、？」

紫「どうやろか？でもちゃんと謝れば絶対大丈夫やから。」

しゅん、となってる神ちゃんの肩を抱いて楽屋に向かう。