【BL】オシドリ夫婦。（仮)【外伝】【名前変換オリジナル】

二 ページ18

『信長。俺が作ったから食べろ。』

信長は怪訝な目で俺を見てから、ハン…肉の塊を食べた。

「…。」

『……いや、なんか言えよ。』

家臣や心配してくれた女中は戸の間からこっそり覗いていた。

結局、信長は何も言わずに全て食べた。…普通だったのか、仕方なく不味いが食ってやったのか。なんなんだ。

「失礼します、帰蝶様。」

『ん、乱丸くん…？』

「信長様は口では言わない分態度で表します！」

…じゃあ、食べたから合格…かな…。はあ、とため息を吐くと腕を掴まれた。

「なんだこの指の怪我は。」

『えーっと…包丁で切ったりして…俺が不器用過ぎてさ。…でも、全部食べてくれたから良かった。誕生日おめでとう。』

俺が出来るだけの笑顔で言葉を送った。信長はいつものように鼻で笑ったり、妖しく笑うわけでもなく、柔らかい優しく微笑んだ。……ヤベ、ちょっとドキドキした。
恐らく家臣や女中には見えなかっただろう。ああ、独り占めしたんだ俺。

『あ、はい。信長好きだろ、コレ。』

「なんだコレ。」

『…え？金平糖知らないの？』

まだ出会ってなかった…！？確か織田信長の好物で有名だったよな？

「知らん。」

『と、取り敢えず食べてみろよ。』

そして、食べた。反応が薄いが、不味い様子ではない。
たくさん食べるか、と期待して見つめていると襟を掴まれて唇を重ねられた。

『んっんん…！』

少しすると口の中で甘い味がした。



「美味いか？」



いつもの妖しい笑みで俺に聞いた。





『…美味い。』





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猫黒様リクエスト
「信長様の誕生日に怪我をしながら、手料理を作る」
でした。
ありがとうございました！

一「逆転」→←一「誕生日」

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