４２話．チャンス ページ44
．
不安気に眉を下げてこちらを気遣いながら
荷物を持って部屋を出ていくトントンを見送って向き合う
煽ってやろうと思った矢先に女幹部が手を振り上げた
瞬時にビンタされるとわかったが
避けずにそのまま喰らい、強烈なそれに後ろの本棚に激突
女幹部「今まで２人きりで何してたのよ」
口の端に滲む血を指で拭うと
ネクタイを緩め鎖骨辺りにつけられたキスマークを見せた
「これでわかりました？」
女幹部「…えぇ、よーくわかったわ」
握り締めた拳を怒りで震わせ、ゆらゆらと歩み寄ってくる
女幹部「アンタが最低最悪のくそ女だってことがね！！」
そう声を張り上げて襲いかかかってきた
激怒して冷静さを失っているから隙だらけ
けれどここで少しでも武力行使したらこちらが不利になる
Aは落ち着いて判断しながら女幹部の攻撃を避けた
「落ち着いてください」
女幹部「私は至って冷静よ」
んなわけ
ここで暴力沙汰に発展すれば
ますます立場が無くなるということに気付けないのだろう
いや、気付けていない今がチャンスか
「(避けずに全部受けてみようかな)」
幹部が新兵に暴力を振るったとなればタダじゃ済まない
これも女幹部を蹴落とすためだと覚悟を決めて
向かってくる拳を一切避けずに全て自身の頬で受け止めた
先程のビンタと同等の威力に踏ん張りが効かず床に倒れる
「…本気で殴るなんて最低」
女幹部「うるさい、私はアンタみたいな女大嫌いなのよ」
どうしてそんなに毛嫌いするのだろう
今思えば入隊してすぐに嫌がらせが始まった
大人しくしていたというのに一向に辞める気配などないし
自分が一番じゃないと気が済まないのだろうか
「なんで私のこと嫌いなんですか？」
鼻血を袖で拭って立ち上がる
女幹部「アンタのその目」
「目？」
顔が嫌いってこと？
片眉を吊り上げて何を言っているんだとため息を吐いた
「そんなこと言われてもこれ生まれつきなんで」
女幹部「…その目よ、そんな目で私を見るな！！」
突然スイッチが入ったのか声を張り上げ
手元にあった分厚い書物を掴み取ってこちらに投げ付ける
「(絶対に避けない)」
飛んでくる書物を見据えて真っ向から受け止めた
その角が額に当たり少しだけ頭が後方に揺れるが
倒れることはせず正面に向き直って驚く女幹部を見つめる
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餅野郎もち介 - 完結おめでとうございます！いつも楽しみに見てました！私個人としては、女幹部と夢主ちゃんとのバッチバチなド修羅場や、チーノさんとの絡みもとても好きでした！これからも応援していきたいです！本当に素晴らしい作品をありがとうございます！(((o(*ﾟ▽ﾟ*)o)))♡ (2022年7月29日 21時) (
レス) @page49 id: 1580038392 (このIDを非表示/違反報告)
氷空 - 続いてコメント失礼します。続編が出るとしたら即見に来ますね！！ (2022年7月29日 14時) (レス) id: cd6e52358c (このIDを非表示/違反報告)
氷空 - 完結?おめでとうございます!いつも楽しみに見させていただいてました！トン氏と、夢主ちゃんの可愛いやり取り…めっちゃ好きです!女幹部も結構好きだったような?ｗ (2022年7月29日 14時) (レス) id: cd6e52358c (このIDを非表示/違反報告)
るか - 完結(？)おめでとうございます！！！！なんとなくさんの作品が大好きで、ほんとうに楽しみに読ませて頂きました。これからもご投稿心待ちにしていますので、また作品をつくってくださると嬉しいです(●︎´▽︎`●︎ (2022年3月30日 0時) (レス) @page49 id: 56081a8842 (このIDを非表示/違反報告)
なんとなく(プロフ) - rieさん» コメントありがとうございます！身に余るお言葉を頂けてとても嬉しいです。このような作品を読んで貰えて本当に喜ばしい限りです…是非これからも宜しくお願いします。 (2022年3月26日 21時) (レス) id: 963a8785fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なんとなく
x他1人 | 作成日時：2021年4月29日 14時
