１２話．効き目 ページ14
．
声を荒らげ怒鳴ることなく
円満に終わらせるくらい容易だったはずなのに
ト「(俺が悪かったんかな…)」
そんな後悔の念に苛まれて
項垂れているトントンを見て企む小悪魔が隣に
軽く息を吐いて笑い、耳元でこう囁いた
「トントンさんは何も悪くないですよ」
まるで心を読んだかのような一言が心に刺さる
ト「え…？」
ぱっと顔を上げるとAは
あどけなく微笑み、頬に手を当てて撫でてくれた
酔っているトントンに偽物の優しさが染み渡る
「日頃のストレスが溜まっていたんでしょう」
ふわりと包み込むように抱き締められ
穏やかな柔軟剤の匂いが鼻腔いっぱいに広がった
「自分を責めないでください」
ト「Aちゃん…」
堪らずAの小さな体に手を回してしまった
「(頼んだよ、先輩)」
すかさずチーノが横から
小瓶の中身を３滴程、トントンのグラスに混入
話している最中にこっそり渡していて正解だった
「…辛いことはお酒を飲んで忘れましょう！」
ト「せやな、そうするわ！」
小瓶を隠したことを確認してから離れ
薬(液体)が入ったグラスをすっと差し出した
何も知らないトントンはそれを一気飲み
「(よし、ひとまずクリア)」
あとはここから普通の酒を飲ませ
まともに歩けなくなったところで帰宅するだけ
「いっぱい飲んでくださいね」
猫を被った愛想笑いをして
トントンの話に相槌を打ち、共感しを繰り返す
「(これいつから効き始めるんだろう)」
速めに効き目が出てくれないと困る要因が一つ
チ「A、A」
「はい、なんですか」
この男、酒に弱すぎる
ターゲットより泥酔状態になり
名前を呼びまくるというだる絡みを続けていた
チ「Aっ、A〜！」
「(うるせー！)」
そちらに構っている場合ではない
どうやって黙らせようか考えていると
トントンが会話を止めこちらに擦り寄ってきた
先輩に気を取られていた為、驚いて目を見開く
「と、トントンさん？」
ト「ん」
何だか先程よりも体が熱い気がする
「大丈夫ですか？」
ト「だーいじょうぶ、やない」
呂律が回ってない
「気分が優れなかったら言ってくださいね」
ト「ん」
端的に返事をしたあと、指を絡められた
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餅野郎もち介 - 完結おめでとうございます！いつも楽しみに見てました！私個人としては、女幹部と夢主ちゃんとのバッチバチなド修羅場や、チーノさんとの絡みもとても好きでした！これからも応援していきたいです！本当に素晴らしい作品をありがとうございます！(((o(*ﾟ▽ﾟ*)o)))♡ (2022年7月29日 21時) (
レス) @page49 id: 1580038392 (このIDを非表示/違反報告)
氷空 - 続いてコメント失礼します。続編が出るとしたら即見に来ますね！！ (2022年7月29日 14時) (レス) id: cd6e52358c (このIDを非表示/違反報告)
氷空 - 完結?おめでとうございます!いつも楽しみに見させていただいてました！トン氏と、夢主ちゃんの可愛いやり取り…めっちゃ好きです!女幹部も結構好きだったような?ｗ (2022年7月29日 14時) (レス) id: cd6e52358c (このIDを非表示/違反報告)
るか - 完結(？)おめでとうございます！！！！なんとなくさんの作品が大好きで、ほんとうに楽しみに読ませて頂きました。これからもご投稿心待ちにしていますので、また作品をつくってくださると嬉しいです(●︎´▽︎`●︎ (2022年3月30日 0時) (レス) @page49 id: 56081a8842 (このIDを非表示/違反報告)
なんとなく(プロフ) - rieさん» コメントありがとうございます！身に余るお言葉を頂けてとても嬉しいです。このような作品を読んで貰えて本当に喜ばしい限りです…是非これからも宜しくお願いします。 (2022年3月26日 21時) (レス) id: 963a8785fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なんとなく
x他1人 | 作成日時：2021年4月29日 14時
