３話．表彰 ページ5
．
『おーい、表彰中にぼーっとすんな』
今までのことを振り返っていると
ふいにトントンが目の前を彷徨き現実に戻される
そういえば今は全体朝礼での表彰中だった
『ほら、次やで』
小さく頷けば総統から名前を呼ばれ
大きく返事をして壇上に上がり、姿勢を伸ばす
皆の視線が一気に集中しているのがわかった
グ「A、貴殿には名誉勲章を授与する」
戦争で最も戦績を上げた軍人は
全体朝礼で壇上に呼ばれ、総統から表彰される
今回は体格の良い男２人と合わせて３人
特にAには最も優秀であったと
認められる名誉勲章が与えられて場がザワついた
グ「素晴らしい戦友達に大きな拍手を！！！」
バリトンボイスが響き、大きな拍手に包まれる
ト『まぁ、俺のお陰やけどな』
壇上を降りている最中に耳元で呟いてきた
「わかってますよ、ありがとうございます」
拍手の音でそのお礼は掻き消されるが
トントンにはハッキリ聞こえたのか満足気に頷く
その後、軍歌を歌って全体朝礼は終了した
首に掛けられた光り輝くメダルを
あまり触らないように気を付けながら自室に戻る
ト『ええやん、似合ってるやん』
「お世辞はいいですよ」
後でトントンの自室に侵入して
飾っておいてあげようと思い慎重に机に置いた
ト『Aのお陰で段々濃くなってきてるで』
消えかけていたトントンの足は
普通の人間と大差ないくらいにハッキリ見える
魂が体に戻るには面倒な程色々と条件があった
なんかのエネルギーが必要だとか
距離的な問題、本人の戻りたいという強い意識
ト『お前やっぱり素質あるんやないか？』
「なんの素質ですか、勘弁してくださいよ」
Aにトントンが憑依できることに
気付いたのは数ヶ月前、きっかけはある言葉だ
「力を貸してほしい」というワンフレーズだけ
トントンが憑依することによって
戦闘能力は格段に跳ね上がり五感も鋭くなった
「この調子ならきっと元に戻れますよ」
ト『せやな、ほんまありがとな』
そして憑依することにより
トントンにとってかなり重要なメリットがある
命を共有することで生命力が戻るということだ
ト『ほんまAが居って良かったわ』
「体に戻れたらご飯奢ってくださいね」
そしてこの２人の関係も
相棒と称して良いくらいに親密になっていた
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るか(プロフ) - こんな神みたいな小説をありがとうございますすごく泣けました！！！！ (2022年10月26日 21時) (
レス) @page44 id: 8ee7b90455 (このIDを非表示/違反報告)
もみじ - ちょっと待って！？貴方様だったんですか！？なーちゃん！？…崇めます。うちの大好きな小説の作者様だったなんて…。この小説本当に好きです！！何回も読みました…！！tn氏の小説もっとください…。←(tn氏最推しの人) (2021年6月12日 3時) (レス) id: 55536975a6 (このIDを非表示/違反報告)
moz(プロフ) - 何周目か分かんないくらい読み込んでおります…！途中ヒヤヒヤするところで心拍数がぶち上がりました。神作者様の他の作品も読んできます〜！（追記ですがこの作品によく似た作品がありました。タイトルは 幽体離脱してた件 です。気のせいだったらすみません。） (2021年1月22日 18時) (レス) id: db48de9f7d (このIDを非表示/違反報告)
ハト - 神 (2020年12月8日 3時) (レス) id: f0bbbc5cbd (このIDを非表示/違反報告)
赤月奏楽 - 完結おめでとうございます！まだ二話くらいしか出ていなかった頃にこの作品を見つけて、ふと思い出してぶっ飛んできたら完結してました。途中はどうなるかとこちらもヒヤヒヤしましたが、最高の作品でした！神様ですね。神作品をありがとうございました！ (2020年11月22日 11時) (レス) id: 0a13c144ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なんとなく
| 作成日時：2020年8月9日 17時
