１４話．開始 ページ16
．
グ「１時ピッタリ、遅刻ではないぞ」
観客席から声がして再び見上げると
総統、幹部全員が揃っていて思わず顔を顰める
グ「役者が揃ったところで早速始めよう」
「すみません、一つだけ質問して良いですか」
戦いを始める前に質問があると挙手した
グ「何だ？」
「この戦いに制限時間はありますか」
制限時間を聞いたのは
終了時間まで粘れば勝ちだと考えているからだ
幹部相手に楽に挑めるとは思っていない
グ「制限時間はどちらかが負けを認めるまで」
返答された瞬間、とてつもない絶望感が襲う
ト『つまり制限時間は無いってことやな』
ハッキリそう言ってくれれば良いのに…
「わかりました」
ついに幹部との戦いが始まると思ったら
急に緊張してきて心臓がバクバク喧しく鳴り出す
さっきの強い衝撃を今から何度も受けるのだ
「(大丈夫、私ならできる、頑張らなきゃ)」
心の中で自分に言い聞かせるが
極度の緊張と焦り、不安で手が小刻みに震え出す
シャ「手ぇ大丈夫か？震えとるみたいやけど」
にやにやしながら震えている手を指摘してきた
「(煽られてんな)」
何よりも情けないのが剣先が震えていることだ
ト『A、深呼吸せぇ』
トントンが目の前に立ち、視界を遮った
ト『お前は一人やない』
トントンに名前を呼ばれると
荒い呼吸も震えていた手も次第に落ち着いていく
ト『勝つぞ』
「はい」
落ち着いて、大丈夫、私は一人じゃない
何度も何度も心の中で唱えて
やっと震えが止まった時、開始の合図が鳴り響く
シャ「ちっ、震えたままで良かったのに」
聞こえるように舌打ちをしてシャベルを向けた
シャ「前も言ったけど手加減はせぇへんから」
「はい、よろしくお願いします」
礼儀正しく頭を下げてから剣を構える
シャ「なんや、剣抜かんのか？」
「はい」
というのも持ち手と刃の付け根が
錆び付いていて抜こうとしても抜けなかったのだ
抜かないのではなく抜けないのだが黙っておく
シャ「ふーん、やっぱり俺バカにされてる？」
「違います」
抜けないんです、とは恥ずかしくて言えない
シャ「まぁええわ、瞬殺したるからな」
姿勢を低くして左足を後ろに下げる
ト『来るで』
「はい」
返事をした瞬間、シャオロンが飛び出した
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るか(プロフ) - こんな神みたいな小説をありがとうございますすごく泣けました！！！！ (2022年10月26日 21時) (
レス) @page44 id: 8ee7b90455 (このIDを非表示/違反報告)
もみじ - ちょっと待って！？貴方様だったんですか！？なーちゃん！？…崇めます。うちの大好きな小説の作者様だったなんて…。この小説本当に好きです！！何回も読みました…！！tn氏の小説もっとください…。←(tn氏最推しの人) (2021年6月12日 3時) (レス) id: 55536975a6 (このIDを非表示/違反報告)
moz(プロフ) - 何周目か分かんないくらい読み込んでおります…！途中ヒヤヒヤするところで心拍数がぶち上がりました。神作者様の他の作品も読んできます〜！（追記ですがこの作品によく似た作品がありました。タイトルは 幽体離脱してた件 です。気のせいだったらすみません。） (2021年1月22日 18時) (レス) id: db48de9f7d (このIDを非表示/違反報告)
ハト - 神 (2020年12月8日 3時) (レス) id: f0bbbc5cbd (このIDを非表示/違反報告)
赤月奏楽 - 完結おめでとうございます！まだ二話くらいしか出ていなかった頃にこの作品を見つけて、ふと思い出してぶっ飛んできたら完結してました。途中はどうなるかとこちらもヒヤヒヤしましたが、最高の作品でした！神様ですね。神作品をありがとうございました！ (2020年11月22日 11時) (レス) id: 0a13c144ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なんとなく
| 作成日時：2020年8月9日 17時
