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88_傘村折心【世界で救われたい】 ページ46

此処から抜け出すなんて、そもそもできるのかな。

だって、考えてみればこの家の出入口って何処?

少なくとも、オズは知らない。

そりゃまあ、監視員が出入りしてるって事はあるんだろうけどさ。

オズ達の周りには常に監視カメラがあって、それを通して此方側を覗く"監視員"という存在がある…それ自体が不自然。

もう慣れちゃったからすっかり感覚が何処か狂ってるかもしれないけど、思い返してみれば率直に言って出られるかどうかすら分からない。

そこまで厳重にして見張りを続けているんだし、外に出られないよう何かしら仕掛けや小細工をしているかもしれないし。

皆が出るって言うなら付いていくけど…過半数が不安な様なら、此処に残る事を意見する。

少なくとも不自由はしていない。見られるのは何か癪だけど、閉鎖的な空間と引き換えに生きていける事が保証されるなら別にいいじゃないか。

仮に出られたとして何になるかも、どうするべきかも、そもそもこの家の外がどうなっているかさえ分からないっていうのに、無理する必要は無い。

今は反対するって明確に言い切れる程じゃないし、ただ不安なだけ。

でもだからこそ、今の段階では零くんの提案に乗れない。

下手に何とかしようとして、その時(・・・)が来たら…もう遅いんだよ。

これが、オズが思うところの全て。

…って、あれ?ねえ。ねえってば。


*

「聞いてるの?エルイくん」

名前を呼ぶと、目の前の彼は一瞬はっとした様子を見せてから笑顔を浮かべた。

「あ、ごめんね。聞いてたよ」
「本当に?怪しいなぁ」

訝しげに彼の顔を覗き込んでから「ていうかさ」と再び口を開く。

「エルイくんでしょ。オズの意見聞きたいって言ったの」

零くんの話を聞いて、思った事を聞かせてほしい。

エルイくんにそう言われて、自室に向かっていた所でまたリビングへと踵を返して来たと言うのに。

「本当にごめんね。君の深刻そうな表情があまりにも醜(美し)くて」

ごめんと言いつつ、エルイくんは相変わらず笑顔のままだ。

悪びれた様子なんて露ほども感じない。

「あーあ、なんか拍子抜けしちゃった。せっかく人が話してたのに」
「そう言わないでよ。何も、全く聞いていなかった訳じゃない。オズくんはあまり乗り気じゃないんだね」

「そう」と返事を返してから、立ち上がる。

「オズ、くたびれちゃったからもう行くよ」

エルイくんの返事も待たず、廊下へと出る。

さて、これからどうしようかな…。

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ニャ助(プロフ) - 更新しました。こんなに短くてすみません(><) (2020年5月4日 11時) (レス) id: 636a33148d (このIDを非表示/違反報告)
ニャ助(プロフ) - お久しぶりです!最近更新出来ずすみません…!更新してきます! (2020年5月4日 10時) (レス) id: 636a33148d (このIDを非表示/違反報告)
(=゚ω゚=)にゃあ - 更新しました。 (2020年3月23日 15時) (レス) id: 91777e8ddd (このIDを非表示/違反報告)
(=゚ω゚=)にゃあ - 更新します。 (2020年3月23日 14時) (レス) id: 91777e8ddd (このIDを非表示/違反報告)
春雨(プロフ) - 更新しました!オズはまだ行く先決まってないので、使って話を進めてもらって構いません! (2020年3月21日 23時) (レス) id: 55d503be78 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:製作者一同 x他6人 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2020年2月11日 22時

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