【小説】ゴミのような、二個目の僕らの世界。【本編】

76_カイム【世界で1番になりたい】 ページ33

17歳以下は自室で待っていろって事だったけど…

「暇だ…」

他の奴とも、最近は気軽に話したりしている。楽しい事も多いし、嫌いじゃない。だからこそ、1人だと退屈だ。

「そうだ、久しぶりに髪型を変えよう。」

サイドとその下の髪をねじって、後ろで全部まとめてお団子にする。首の周りがすっきりした。

仕上げに、オレンジ色の鈴が付いた髪飾りをつけてみる。

「お、いい感じだ」

しかし、この髪飾りはどこで手に入れたんだろうか。誰かから貰ったのか。それとも、自分で買ったのか。

「ま、いいか。」

どうせすぐ気にならなくなる事だ。気分転換もできたので、椅子に座って外をぼんやり眺める。すると、

ｺﾝｺﾝ

ドアを叩く音がした。

「誰だ…？」

もうリビングに来ていいと伝えにきた紅か？
それとも、話をしに来たセツナか？

予想はどちらも違った。

「失礼する。『_世界で1番になりたい』か。リビングの備品が壊れた。壊したのはお前か？正直に言え。」

っ！？

監視員だ！

「知らないけど」

アタシは正直、監視員のことは信用していない。

そして、その件については、本当に知らない。昨日の晩に誰かが壊したとかか？

「本当に？」

まだ疑ってきた。

「ああ、本当だよ。疑り深いな。」

頼むから早く行ってくれ…表では平静を装っているが、ここの住人以外の人間は嫌いなんだ…！

「そうか。では失礼する。」

そういって監視員は意外とあっさり引き下がり、部屋を出ていった。

「よかった…でも、アタシ達を監視して何が目的なんだ…？」

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