【男主】平凡を愛そうと思う。【出会い編】 (ページ2)

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第２話「説教と斉藤先生」ページ2

あぁ、鬱陶しい。
目の前に居るのは、メガネを掛けた３：７のよくある髪型。

そして、先ほどから「～だね」と言った回数を数えている。

いや、暇なんだ。
本当に。

ちなみに、この「～だね」というのが口癖な教師は斉藤先生という方らしい。
見た目も苗字も平凡だ。

平凡が一番だ。
そう思う俺には、きっとこの場で寝る権利がある。

もう１０分以上、説教を聞いているというのに斉藤先生は
俺に対して叱りつけてくる。

別に俺は反省する気はないし、遅刻が悪いとは思っていない。

寧ろ、一週間程前に画面越しに王様が「世界を救え」と
言い出したのが原因ではないか？

脳内で「あー、早く終わればいいなー」ぐらいに考えている。

少しくらい、寝ても良いと思うんだ。

目が覚めたら、きっと説教が終わっていると信じて。

斉藤「…聴いているのかね！黒崎！」

俺の苗字を叫ぶ斉藤先生。
睡眠妨害と、俺の機嫌を損ねた。

しかし、話を聞かない俺も悪かったのだろう。
そんな斉藤先生のために俺は。

…目を開けて寝ることにした。

うつらうつらと頭がカクンとなるのは、
斉藤先生の話に頷いているだけだ。

…決して、馬鹿にはしていない。(多分)

頭上から溜息が聞こえた。

斉藤「はぁ…分かったならもういい。教室に行きたまえ。
　 ……寄り道はするなよ、いいかね？」

どうやら終わったらしい。

やはり俺の誠意が伝わったようだ。

説教部屋と言う名の生徒指導室の部屋を出る際に、
斉藤先生に向かってニコリと薄ら笑いを浮かべた。

勿論、俺に説教なんてふざけんじゃねぇって意味を込めて。