【ハリポタ】お転婆少女と悪霊の耳飾り② (ページ4)

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act53 ページ4

『…やっと出てこれた……』

自由に動くことを許可され、医務室から出て
伸びを一つ。

「A」

『…あぁセブルス。心配かけてごめんなさい。
もう、大丈夫ですよ』

迎えに来てくれたらしい彼に笑いかける。
ふん、と鼻を鳴らした彼は私の手を引っ張って
ゆく。

『どうしたんですか？今日って、休日でしょう？
急ぐようなこと………』

「黙ってついてこい」

一言にそう言われてしまえば反抗する理由もない。
仕方なくされるがままに引っ張られて到着したのは
私とセブルスの部屋で、ガチャリと扉を
押し開ける。

「お母さん！」

「お母さん」

『…！！す、すごい……』

入った途端にシックルとエイトアが目に入り、
それから二人から大きな花束を受けとる。

『白い……ダリア？』

五月。結婚記念日は過ぎたし……
………ん？

「いつもお母さんありがとう。」

「これからもよろしくねお母さん」

『………母の日かぁ……』

嬉しくなって涙を浮かべる。
恥ずかしそうにと笑う二人を目一杯抱き締める。

おかあさんやっててよかった………

『ありがとう、シックル、エイトア。
お母さん嬉しいよ、本当に。』

「えへへ、」

「…喜んでくれたなら、良かった」

照れたようにそう言うエイトアの頭を、
ぐりぐりっと撫でてやる。
そうすると、シックルが不満そうに、

「エイトアだけズルいよ！」

『はいはい、シックルも大好きだよ』

本当、歳に似合わず子供っぽいんだから。
そう思いたいのを精一杯笑いで堪えて、もう一度
抱き締める。

「A」

『はい……んっ、』

セブルスに呼ばれ、振り返る。
不意打ちでキスをされ何事もなくそれに応じた。
こうした不意打ちはいつものことだから、
驚くことじゃない。

私の腕の中の双子は顔を真っ赤にしたが。

「…シックル、エイトア。どこか行きたいところを
考えておけ」

「え？」「行きたいところ…？」

「夏休みに旅行だ。いいな？」

「ほんと！？」「いいんですか！？」

「あぁ。どこでもいい。きちんと考えておきなさい」

「「はい…！」」

ぐりぐりっと二人を撫でて出ていく。
珍しい。ほんと、どうしたんだろうな。

考えても答えが分かるわけでもなく。
結局それは忘れて、日常へと戻ったのだった。