act50 ページ1
「先生！Aは！」
「問題ない頼んだぞ！」
そのままホグワーツに入る。
クィリナスにAを預けたあと、再び戦いに
戻った。
「…ポッター！ブラック！
コイツらは、我輩がやる！」
「………」
ハリーのエメラルド色の瞳が、自分を見る。
昔を思い出してしまい目を背けた我輩は、
影二人に向き直る。
あぁコイツらが、我輩の妻に危害を加え
我輩の娘に恐怖を与えたのか。
そう思うと、怒りは沸々と沸き上がる。
杖を持つ手が震え、息が上がるのが分かった。
落ち着こうと浅く深呼吸。
不意にパッと、杖を振るった。
我輩の十八番、セクタムセンプラが宙を駆け、
一人に当たる。
それまでに約3秒。隣の影が慌てて動くのが2秒後。
計5秒で、一人はノックアウトした次第である。
これで数の不平はあるまい。
ふっ、口元を歪めた。
相手が闇雲に、呪いを放つ。
しかし、僅かに逸れている。
身体を少し右に傾けるだけで、避けることが出来た。
そして少しイメージしただけで、
ﾄﾞｫｫｫﾝ‼
と空間が爆発する。無様な格好でその場に倒れた影は、
「アバダケダブラ！」
と禁忌の呪文を唱えた。
それもヒラリとかわす。
相手に迫ろうと、足を持ち上げる。
身体がひどく、軽かった。
軽やかに地を踏み締め、驚くべきスピードで、
あっという間に敵の目の前へ。
「…セクタム、センプラ。」
静かにそう唱え、影は倒れた。あたたかい返り血を
浴びる。
杖を仕舞い、意識を失ったソレを、冷ややかに
見下ろす。
一度頭を踏みつけようとして………やめる。
こんなこと、Aは望まない。
踵を返した我輩は、ハリーとブラックに後を任せ、
城内に戻った。
「「…お父さん！」」
双子が同時に、飛び付いてくる。
「お父さん、強かった、凄い！」
シックルが興奮したように言う。
「お父さん、お母さんを助けた。ありがとう」
ぎゅっと、二人が嬉しげに抱きついてくる。
ひどく愛しく思った我輩は、双子を抱き上げて
歩き出す。
たどり着いたのは、医務室。
全くこの子は大人になっても一年に一回は
ここで目覚めてしまうのか。
そう思うと嘆息してしまう。
「…無事で良かったA、」
ぐっすり眠る彼女の髪を撫で、我輩はその額に
唇を落とした。
とりあえず、一段落した。
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作者名：ひいらぎ | 作成日時：2018年3月18日 22時
