揺れる気持ち〈うみげん〉 (ページ13)

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「えー！また負けたー！！」

モニターには' YOUR LOSE 'の文字

『ほんっとにAってゲーム弱いよなー』

いつになったら俺に勝てんの？なんて煽ってくる

負けず嫌いな私はもう1回！もう1回！と今日何回も言ったセリフを繰り返した

今日は仕事終わりに海人と通話しながらゲームをしている

元々ゲームをやる方では無かったが高校時代、海人がきっかけで少しずつゲームにハマっていった

今では息抜き程度にゲームをするようになった

ちなみに1度も海人に勝てたことは無い

「海人強すぎるんだってー！」

『お前が弱いんだって』

私に勝つ度に癖のある笑いで煽ってくる

心底ムカつく。

いつかゲームで海人を負かしてやりたいけど今の私には絶対に無理だ

そんなこと思っていると

『そう言えばあの子、どうなったの？』

あの子とは元太のことだ

「あー土曜日に会うことになった！」

『へえーーーーー』

「ちょっと待って自分から聞いといてその反応は無くない！？」

そう言うとごめんごめんと笑いながら

『でも飲みすぎんなよ』

と釘をさされた

それは自分でも痛いほどわかっております。

「あ、でも集合10時なんだよね」

『えー昼間っから遊ぶの？』

まあそうなるねと返すと

『なんか普通にデートじゃね？』

「でーと、、、」

思ってもいなかった為私は思考が停止する

そっか、デート

元太にその気はなくても男女2人でお昼に出かけるってことは世間一般からしたらデートだよね

『もしかして今気づいたの？』

Aちゃんってばアホの子〜♡なんて電話越しでまた煽ってくる

「もう、うるさいな！」

するとタハーッと海人らしい笑い声

やっぱり馬鹿にしてるよね。

すると海人が、でも、と続ける

『俺はなんとも思ってない子のことそうやって誘わないよ』

『俺、女遊びしたことないから相手はどう思ってるか分かんないけどね』

あくまでこれは俺の考えね〜と海人は言う

それから私の頭の中はずっとその海人の言葉でいっぱいだった