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家に着き、ソファーに身を投げる




今日も家まで海人が送ってくれた




ふと今日の会話を思い出した




「そういえば私、元太のこと何も知らないや…」




私は連絡先に登録されている' 松田元太 'の文字を見つめる




「わっ!?」




すると手からスマホが滑り、顔に落下した




「痛いなあ」




鈍い痛みに片手で顔を撫でながらもう片方の手でスマホを拾う




画面を見て驚いた




落下した衝撃で元太に電話をかけていた




呼出音はすぐに切れて久しぶりに心地の良い声が聞こえた




「もしもし、Aさん…?」




私は慌てて体を起こし、スマホを耳に当てた




そして私は何故か正座している




「あ、もしもし!?えっと!元太近々会わない?」




落下した衝撃で間違えてかけてしまった、




なんて彼には言えなくて咄嗟に繕った言葉




「いーよ、俺も会いたいなって思ってた」




その声色からはふにゃっと柔らかく笑う彼の表情を容易く思い出させる




「あ、じゃあさ次の土曜日とかどう?」




「土曜日?暇だけど」




「じゃあ決まり。10時にAさんちに迎えに行くね」




「わかった、待ってるね!」




そう言うと楽しみにしてるね、おやすみと告げられ通話が切れた




およそ1週間ぶりに喋る電話越しの元太くんは何か吹っ切れたようだった

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作者名:ゆい | 作成日時:2021年8月10日 16時

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