選択 ページ8
あのお方は、、、無惨様は。
私の琴を誉めてくださった。
毎夜毎夜、私の所までおいでくださって。
詩の交換はしませんでしたが、毎回毎回琴の感想を述べてくださる方でした。
平安貴族の十二単だって、綺麗だと、美しいと誉めてくださいました。
そして贈り物としてたまに持ってきてくださる着物はいつの間にか10枚を越え、無惨様に頂いた着物だけで十二単として着れるほどまでになっていたのです。
自分で言うのもおこがましいですが、美しいと言われていたのに会うことができない怒りから男性に刺されてしまい、三途の川を渡る結果となってしまいました。
そんなところを鬼になると言う唯一つの条件で無惨様に救っていただきました。
鬼になり、いつしか時は越えて。
いつの間にか無惨様のお隣にいるのは私ではなくて、別のお方でした。
一番誉めてくださった着物以外を燃やし
何個かありました琴を一番高い物以外燃やし
今まであった中で、一番無惨様に誉められた物以外は燃やしました。
そして小物鬼を従えて琴や荷物を持たせて、無惨様にも誰にもわからないような遠くへ逃げた。
見つけたは大き目の館だった。
此処であれば、無惨様にも見つからないであろう。
小鬼を廊下へ配置し、偏りの無いように見回りをさせ、たまに人里に下りて人を喰うのだ。
無惨様に誉めていただいた曲を弾き、無惨様に向けて詩を書く。
ですがこんな辛い生活はもう嫌なのです。
終わりにしたいのです。
小鬼からの情報によると鬼狩りという方がいらっしゃるそう。
その者の血を啜れば強くなれるのだとか。
だから、この生活を打破するために、私は強くなるか、死ぬかの二択を選びました。
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作者名:Ro:A | 作成日時:2019年9月23日 3時