検索窓
今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:324,936 hit

1 ページ1

______


.



変わりたくて入ったこの業界


場所が変わったって、結局同じだった。







「……邪魔。そこ通りたいんだけど」


『……っ、あっ、』


「ごめんくらい言えないの?」





立ちすくみ言葉の出ない私を、突き刺すように見下ろすジミンさん。

男メンバーからすれば低めの身長であっても、157cmしかない私からすれば威圧が凄くて、思わずたじろいでしまう。







「仕方ないんじゃない?


だって、俺らと話したくないみたいだし?」



『……ち、「ほら。何も反論しないじゃん」』




冷たく鼻で笑うテヒョンさんは、とても怖い。
今日は思うようにダンスが踊れないらしく、余計苛立っている。


これ以上此処にいたら、みんなの気を悪くしてしまう。気遣ったつもりでスタジオを出た所で、いつもの様に逃げたとしか言われないのだろうけど。





『……お、おつかれ、さまです』



「「「……」」」





毎回声はかけるが、当たり前に声は返ってこない。

このやり取りも、もう3年目を迎える。
初めはよそよそしくもかけられていたホソクさんの声も、人懐っこく話しかけてくれたテヒョンさんの声もなくなった。


どのグループも、表はビジネスで裏は冷えきっているのだろうかとよく考えるようになった。





……でも。









.








「______おつかれ、A」





『……ジンオッパ』






この人だけは違った。


他から見れば冷たく見えてしまうような私を見捨てずにいつも優しくしてくれるのだ。

毎度の事ながら情けなく涙が溢れそうになる。





「無理しないでいいから、ゆっくり休みな」



『……(コクン』



「 (……って言っても、またスタジオにこもるんだろうけど)」





昔あった影響で人と上手く話せなくなった私は、何処にいたって結局変わらなかった。

そのことを説明する暇もなく時は過ぎ、今は目の前のお仕事と自分のことで精一杯になっていた。





"この世界で、自分を変えよう"





"ここなら、自分を表現できる"








大好きなダンスだけは


誰にも負けない自信があったのに。

2→



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (328 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1287人がお気に入り
設定タグ:BTS , 防弾少年団
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ちっち(プロフ) - きさはさん» コメントありがとうございます! 待っていてください! これからもそう言っていただけるよう頑張ります。よろしくお願いします! (2020年9月19日 23時) (レス) id: e6dc367ca2 (このIDを非表示/違反報告)
きさは - とっても面白いです!! 更新、楽しみに待っていますね♪("⌒∇⌒") (2020年9月19日 22時) (レス) id: f44f572c68 (このIDを非表示/違反報告)
ちっち(プロフ) - カナタさん» コメントありがとうございます! その言葉で更新頑張ることができます、感謝です…! これからもどうぞよろしくお願い致します!! (2020年9月18日 10時) (レス) id: e6dc367ca2 (このIDを非表示/違反報告)
カナタ(プロフ) - はじめまして^^ とても面白いです!一気読みさせていただきました!ヒロインちゃんの過去も気になります!!はやくメンバーと打ち解けて仲良くなるといいですね^^ 更新楽しみにお待ちしてます! (2020年9月18日 1時) (レス) id: 0e85e13603 (このIDを非表示/違反報告)
ちっち(プロフ) - RUKINAさん» コメントありがとうございます! 完結はまだしないのですが、第1弾をしっかり終わらせますので、よろしければこれからもよろしくお願い致します! (2020年9月17日 20時) (レス) id: e6dc367ca2 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ちっち | 作成日時:2020年9月13日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。