飼育記録34日目 ページ36
自室に戻ると彼女がキラキラとした目で視線を送ってくる。
女性では無いが、母性がくすぐられる。
昼食を食べ始め、彼女と他愛もない話をしていた。
ここで、話を持ち出そうと思う。
em｢…Aさんは、元に戻りたいとお思いですか…？｣
彼女は動きを止めたあと、｢分からない｣と小さな声で呟いた。
そしてもちろん、理由を問われる。
私は彼の存在のことを伝えた。
やはり、この手の質問は厳しいのだろうか…
考える時間も、可能性もあるということを告げ、私は空になった食器を片付けるためキッチンへと向かった。
ただ、実験好きの彼のことだ。
彼女に何をされるか分からない。
しかも私は“今”の彼女が好きなのだ。
…あ、恋愛とかそういうんじゃないで！
性格を含め、彼女は人として出来上がりすぎている。
そんな彼女に小さいという欠点がある。
そういう、完璧ではない部分が好きなのだ。
もし彼女が元の人間という姿に戻ってしまったら、私はどうなってしまうのだろうか…
ただの自己防衛でしかないが、私は彼の元に彼女を連れていきたくない。
希望を持たせたのにこんな事を思ってしまう。
私は食器を片付け、自室の扉を開けた。
『エーミールさん、私、元に戻りたいです』
…えっ？
私の希望はすぐに崩れ去った。
彼女は人間に戻りたいのだ。
本当にそれでいいのかもう一度問うと、
『皆さんと、友人として話したいんです』
という答えがかえってきた。
彼女の決めたことだ、と私は決心して彼に電話をかける。
確かに彼女とはよい友人になれるかもしれない。
しかし私が彼女のことを友人として見れるかどうか…
何コールかすると、彼の声が聞こえる。
em｢もしもし、エーミールです｣
kr｢あぁ、電話なんて珍しいですねぇ。どうしたんです？｣
彼女のことを話す。
興味深そうに相槌を打つ彼の声を聞いていると、彼女を関わらせたくないという独占欲に似た何かが私を埋め尽くす。
kr｢多分いけると思いますよ？｣
em｢ありがとうございます。では日時はいつ頃がいいですかね？｣
kr｢まぁなるべく早い方がいいんで…明日の8時とかどうでしょう｣
em｢分かりました。ではその時間に伺わせていただきます｣
結局“また”私は流されてしまった。
自分の意見を主張することなく終わる。
電話が終わり椅子に腰掛けると彼女が声を掛けてくれる。
それほどに顔が死んでいたのだろうか？
心配させないように一瞬だけだが笑顔を貼り付けた。
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いも犬P(プロフ) - 有さん» いえいえ大丈夫ですよ^^*恐らく、ネットが込み合ってしまい処理が追いつかなくなってしまったんだと思います。私も1度全部見れなくなりました,,,作者なのに (2019年3月25日 19時) (
レス) id: 58fd28716b (このIDを非表示/違反報告)
有 - すいませんこちらのバグでした本当にごめんなさい (2019年3月22日 6時) (レス) id: 3b3f8a8c71 (このIDを非表示/違反報告)
有 - 飼育記録２０日目、３４日目が見れないのですが… (2019年3月22日 6時) (レス) id: 3b3f8a8c71 (このIDを非表示/違反報告)
夏目(プロフ) - おめでとうございます!! (2019年3月15日 16時) (レス) id: 6f15b8d456 (このIDを非表示/違反報告)
ぽぽ - おめでとうございます！ (2019年3月14日 20時) (レス) id: c8f72c9aa8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いも犬P | 作成日時：2018年11月4日 1時
