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記憶147 ページ7

部屋に戻ってきた私たちだったが、山本さんにはテストの採点に明日の授業の準備などやらなければならないことがあったようなので帰ってもらった。



一人になった私は考え事をしていた。
町へ行く許可は貰えたが、一人では行動できない。
一体誰を誘おうか。


付き合ってくれそうな人には心当たりがあるが、何かと忙しいであろう彼らを誘っていいものか。



(そうなると伏木蔵くんや乱太郎くんあたりが良さげかな)




二人が暇をしているとまでは言わないが、上級生よりは時間が取りやすいはず。


色々あったからなのか、突然睡魔が襲ってきて、瞼を開けていられなくなる。
しかし私はまだ風呂に入っていないため、今布団で寝ると布団を汚してしまう。
そこで私は、腕を枕にして机に突っ伏して仮眠をとることにした。




一時間くらいは寝ても怒られないだろうか。
目覚まし時計がないのでその時間で起きれるか微妙ではあるが、欲求には逆らえない。
私は抵抗することなく瞼を閉じた。





___________


トントンと、不破雷蔵とよく似た容姿をした鉢屋三郎はある部屋を訪れ、障子のすぐ横の柱を鳴らした。



しかし部屋主は居ないのか返事は無く、少し待ってみても出てくる様子もない。
もう一度叩いてみるが、やはり中からは何も返ってこなかった。



(留守か?)




悪いと思いつつそっと戸を開けて、中を覗く。
すると人影が机に突っ伏しているのが見えた。どうやら部屋主は寝ているようだ。



それを確認した鉢屋はそのまま戸を自分が入れる分まで開け、起こさないように忍び足で隣へと行き正座する。
流石は忍びの卵と言ったところだろうか、普通の人ならどんなにゆっくり歩いても床を軋ませて音を立ててしまいそうなものだが、彼は本当にひとつも音をさせなかった。



(寝てるんだよな?)



枕にされている腕と顔に少し垂れる横髪の間から覗く少女の瞑られた瞼を見てそう判断する。



部屋の主は高坂Aだった。




いつもの見慣れた忍者服姿をした少女。
その少女の腕の部分は少しだけ布が破れ、肌が見えている。



鉢屋はその部位に、おそるおそる親指で撫でるように触れて傷の有無を確かめた。
事情を聞いて、触覚がないことは知っている。
だからってつねったり、思い切り掴んだりなどはしなかった。


(本当に治ってる)



彼は複雑そうな顔をして静かに、まるで内緒話でもするかのように小さな声で言った。





「ごめんなさい」

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設定タグ:RKRN , 忍たま , 天女   
作品ジャンル:アニメ
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小学7年生(プロフ) - ビビさん» コメントありがとうございます! ぼんやりとしか決まってないですが、アンケの結果を考慮するとこんなるかなぁというのはあります! ありがとうございます、最後まで頑張ります(^^) (2020年3月4日 17時) (レス) id: f875b378db (このIDを非表示/違反報告)
ビビ - 初めてコメントさせていただきます。続きが気になって仕方ないです。終わり方決まってるんですね、どんな風になるのか楽しみにしてます。これからも応援してます。 (2020年3月4日 12時) (レス) id: 1ea5bff0da (このIDを非表示/違反報告)
小学7年生(プロフ) - ゆきさん» めちゃくちゃ嬉しいです……(;ω;)一応終わらせ方のだいたいの方向性は決まってるので最後まで見て頂けると幸いです(●´▽`●) (2020年3月1日 12時) (レス) id: f875b378db (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - 初めまして、こんにちわ!このお話とても面白くて凄く好きです!これからどうなるのかとても楽しみです♪無理せず頑張ってください!応援してます(*´ω`*) (2020年3月1日 10時) (レス) id: d382303660 (このIDを非表示/違反報告)
小学7年生(プロフ) - ウーロンティーさん» 光栄です! ありがとうございます、頑張ります〜!! (2020年2月19日 0時) (レス) id: f875b378db (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:小学7年生 | 作成日時:2020年1月24日 18時

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