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記憶175 ページ35

ここが本当に室町時代であるなら歴史の教科書が間違ってることになる。
が、私はここが本当は室町時代などではなく、どこか別の世界なのではと考える方がしっくりきた。





室町時代を模した物語の世界か、パラレルワールドか。




一つの違和感に気付いて、今朝感じた違和感も腑に落ちた。



(あの時は利吉さんがカタカナを使っていたから……)





フリーの忍者という台詞。
南蛮貿易や勘合貿易なんかで他国との結び付きが全くなかった訳ではないと思うが、フリーは英語。
貿易相手国に英語圏はないので明らかな矛盾点。




考えてみれば小松田さんもサインという英語を使っているのにどうして今まで気付かなかったんだろう。




使い方も私のいた時代と同じ意味で使われている。
それに私が筆談をし始めてからはノートにクエスチョンマークを書くこともあった。
彼らとはそれで会話も成立していた。
クエスチョンマーク、疑問符という概念はきっとまだこの時代にはなかったはずなのに。


それ以外にも小さな違和感はたくさんあった。
フラッシュバックしてくる記憶すべて、私は気のせいの一言で済ませていた。
こんな身近におかしな所が転がっていたのに気付かなかったなんて、注意力散漫過ぎだろと自分を戒める。
それは本当に自分の注意力不足が原因だったのだろうか。


この世界に飲み込まれようとしていたのではないか。
だから小さな違和感を無視してしまう脳になっていたのでは。


でもその場合どこまでが物語なのだろう。




「難しい顔してるけど、考え事?」



様子を伺うように私の顔を覗き込む利吉さん。



なんでもないですと紙に書こうと手を動かすが力が入らず掴んだ筆を地面に落としてしまった。




落とした筆はコロコロと少し転がっていき、筆先の毛の部分には土がついてしまった。


拾わなければと思い立ち上がると忘れていた感覚が頭を襲い、その場に崩れ落ちた。



「っ、いっ……」





頭が酷く痛んだ。
脳が圧縮されてるような、鈍器で思いっきり殴られているようなそんな痛み。




ああ、私は今から気を失うのだろう。



そう思ったのは視界がどんどん暗くなっていっていたから。
遠くなる意識の中聞こえたのは茶屋にいた人たちの悲鳴と利吉さんの焦る様に心配する声。




それを無視して私が最後に考えたこと。



(声……出るようになったんだ……)




狭くなっていく視界。




(これで……かい、わ……楽に……)





そこで私は意識を手放した。

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設定タグ:RKRN , 忍たま , 天女   
作品ジャンル:アニメ
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小学7年生(プロフ) - ビビさん» コメントありがとうございます! ぼんやりとしか決まってないですが、アンケの結果を考慮するとこんなるかなぁというのはあります! ありがとうございます、最後まで頑張ります(^^) (2020年3月4日 17時) (レス) id: f875b378db (このIDを非表示/違反報告)
ビビ - 初めてコメントさせていただきます。続きが気になって仕方ないです。終わり方決まってるんですね、どんな風になるのか楽しみにしてます。これからも応援してます。 (2020年3月4日 12時) (レス) id: 1ea5bff0da (このIDを非表示/違反報告)
小学7年生(プロフ) - ゆきさん» めちゃくちゃ嬉しいです……(;ω;)一応終わらせ方のだいたいの方向性は決まってるので最後まで見て頂けると幸いです(●´▽`●) (2020年3月1日 12時) (レス) id: f875b378db (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - 初めまして、こんにちわ!このお話とても面白くて凄く好きです!これからどうなるのかとても楽しみです♪無理せず頑張ってください!応援してます(*´ω`*) (2020年3月1日 10時) (レス) id: d382303660 (このIDを非表示/違反報告)
小学7年生(プロフ) - ウーロンティーさん» 光栄です! ありがとうございます、頑張ります〜!! (2020年2月19日 0時) (レス) id: f875b378db (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:小学7年生 | 作成日時:2020年1月24日 18時

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