素敵な喫茶の物語

#07 立ち入り禁止 ページ7

『どうぞ。』


【関係者以外立ち入り禁止】のパネルを見て、いいんですか？と彼はもう一度確認するように聞いてきた


『大丈夫ですよ。お店も閉めましたし、ゆっくりしていってください』


「あっ、そうなんですか…じゃあ、お言葉に甘えて(笑)」



ニンマリ笑う彼を二階へ案内した


そこには数々のアメリカンカジュアルな家具たちが置かれている。

棚の上には店長が旅行に行った先で買ったお土産も並んでいる


「洒落てるなぁ…」


と小さく呟く彼は興味津々の様子。



「A…？」



不思議そうな顔をしてアロマキャンドルを手に取った



『そ、それ…私の名前です…』


恥ずかしいものを見られちゃった(汗)

アロマキャンドル欲しいって店長に言ったらなぜかわざわざネームプレートまでつけて送りつけてきて…


『ここの店長がくれたお土産です(笑)』


「へぇ…素敵なプレゼントですね」


『んー、ま、まぁ素敵…かな…』


苦笑いを抑えられない私はとりあえずここ座ってください。とソファーを指した

私の言葉にありがとうと微笑んでソファーに腰掛けた


「俺の名前は祥太です。祥太って呼んでください」


『は、はい…』


下の名前で呼ぶなんて…いきなり距離が縮まる。
店長でさえ私の事を名字で呼ぶのに、、、。


「だから俺もAって呼ばせてください」


なんの恥じらいもなく私を見つめながら話す彼に見惚れつつ、頷いた。

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