#05 rain ページ5
また、来ます。
彼にそう言われてから、2週間が経った
あの日以来彼は一度もお店に来ていない。
"また来ます"なんて大人の社交辞令だったのかなぁ、、、。
そしたら、コーヒーの褒め言葉も社交辞令…?
やだやだ!それだけは本当だって信じたい!嘘でもいいから信じたい。
彼がお店に来ないどころか、最近は常連さんもあまり見ない。
そろそろ潰れるんじゃないかなこのお店(笑)
あ、でも、潰れたら潰れたで他に住むところ見つけなきゃいけないしバイトも探さなきゃ…
それはそれで面倒か。
チクタクチクタク…と、規則的なリズムの微音さえハッキリと聴こえる静寂。
目を閉じて耳を澄ますと案外心地いい音色にも思える
________チクタク…チクタク…ザァアアアアア
『っ?!』
時計の音をかき消すいきなりの爆音に目を開けると、窓の外は激しい雨が降りだしていた。最近よくあるゲリラ豪雨だ
『あ!!洗濯物っ!!!』
レジに鍵をかけ急いで"関係者以外立ち入り禁止"のパネルがかけてあるドアを開けた。
目の前の階段を一目散に駆け上がりベランダに向かうと
『あぁー、最悪、、、。』
私の足が遅かったのか、ゲリラ豪雨が速かったのか、、、。
お気に入りのスカートから、最近買ったばかりの下着まで、全部びちょぬれ。
雨を避けながら急いで片付けた。
仕方ないから洗濯物カゴに全部まとめて、外の雨が止むまで店番に戻る事にした。
階段を降りてさっきのドアをガチャっと開けると、そこには信じられない光景が待ち受けていた。
『っえぇ?!』
洗濯物同様、頭から靴まで全身びっしょびしょになった、あの彼が困り顔で立っていた。
「すみません、あのっここで雨宿り…させてもらえませんか?」
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みき(プロフ) - 続きが気になる終わり方だったので、3日後に映画に行く〜も描いて頂けると嬉しいです。よろしくお願いいたします。 (2018年7月22日 5時) (レス) id: b4e2f9f02b (このIDを非表示/違反報告)
pin☆(プロフ) - 残念な気持ちもありますが新作を楽しみにしてます!これからも頑張って下さい!応援しています。 (2016年2月9日 23時) (レス) id: 6e9497e429 (このIDを非表示/違反報告)
誠(プロフ) - 消しちゃうんですか?残念ですね〜…。いつか、また書いて下さい! (2016年2月9日 23時) (携帯から) (レス) id: 5b09fbd5de (このIDを非表示/違反報告)
かな - 更新、頑張ってください! (2015年9月28日 9時) (レス) id: dc28adfdb0 (このIDを非表示/違反報告)
戸塚りぃ - izumiさんの小説いつも読んでます!この話も大好きです。応援してますっっ(^人^) (2015年8月31日 1時) (レス) id: 04b4ec3a6e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:izumi | 作成日時:2015年8月28日 4時