【第16話】屋上にて ページ17
トド松side
青い空の下、サンサンと輝く太陽の日差しを浴びながらフェンス越しに校庭を見る。
たった今、僕とおそ松兄さんは2人で屋上にいる。
保健室を出た後、僕はおそ松兄さんを引っ張って教室ではなく本来なら立ち入り禁止である屋上に来たのだ。
誰にも聞かれない話をするにはうってつけの場所だろう。
無言の僕たちの間を強い風が絶え間なく吹き荒ぶ。
おそ「なぁ」
先に口を開いたのはおそ松兄さんだった。
僕は顔を上げゆっくりとおそ松兄さんの方を向く。
おそ「俺に何か話があるからココに連れてきたんだろ?」
トド「…うん。
おそ松兄さんも薄々気づいてると思うけど【一松兄さん】のことでちょっと、ね。
一松兄さんさ、急に姿を消しちゃったじゃん?確か…2ヶ月くらい前に。」
2ヶ月前、一松兄さんは突然僕たちの前から姿を消した。
なんの前触れもなく、消えたのだ。
水がさらさらと流れていくかのように静かに。
桜が風に吹かれて散っていくかのように自然に。
姿を消してから何日か経つと、僕とおそ松兄さんはようやく一松兄さんがいなくなったことに気がつき、毎日のように捜したがそれでも見つけられなかった。
「ここはもう一松が帰ってくるのを信じて待つか」
というおそ松兄さんの言葉を機に、捜すのはやめて大人しく待っていることにしたのだ。
…2ヶ月経った今でも一松兄さんは帰ってきていないのだけれど。
おそ「おー、確かにそーだな」
おそ松兄さんも一松兄さんが消えた時のことを思い出しているのか、なんとも複雑そうな表情をしている。
トド「それでね、今から2ヶ月くらい前、つまりちょうど一松兄さんが姿を消した辺りからAちゃんから微かに一松兄さんの匂いがするのに気がついたんだよね。」
おそ「それはつまり、一松がいなくなったのにAが関係してるってこと?」
おそ松兄さんの言葉に静かに頷く。
最初は一松兄さんの失踪にAちゃんが関係しているだなんてただの気のせいかと思ったけど、どうやらそれは違うようだ。
なぜなら僕は今日、見てしまったのだから。
トド「Aちゃんにさぁ、あったんだよ。
_______が。」
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サクラ - 更新楽しみに待ってますので戻ってきてください!おねがいします! (2018年2月15日 18時) (レス) id: 82bd22f655 (このIDを非表示/違反報告)
玲紋 - 気になります!続きが!応援してますね! (2016年3月21日 1時) (レス) id: eee74b7045 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ももももっち。 | 作成日時:2016年1月10日 23時