side I ページ49
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『俺、山ちゃんと上手くいった。』
「おめでとう、それ俺のおかげ?」
今日はJUMPでPV撮影。
俺は光をスタジオ内の機材やスタッフさんの邪魔にならないような端っこに呼び出して、このあいだの報告をしていた。
『光のおかげ、かな。知念が無理やり山ちゃんとこに連れてってくれたんだけどね。』
光が自分のおかげかと聞くと言うことはやはり故意的に山ちゃんに俺のことを言ったんだと気づいた。
「良かったな、俺からしたら2人とも好き合ってるのになぜかすれ違ってたから一か八かだったんだけどね。」
『光は山ちゃんの気持ち知ってたの?』
意外な事実に俺は驚いた。
俺の気持ちを知っていて、且つ山田の気持ちを知っているなら教えてくれれば良かったのにと思わずにはいられない発言だったから。
「JUMPみんな分かってるんじゃない?最近の山田は分かりやすかったもん。」
『…』
知らないのは当事者だけかよ。
俺より光の方が山ちゃんのことを知ってることに少し嫉妬してしまった。
「悪かったな、分かりやすくって。」
『山ちゃん…』
俺たちが2人でコソコソと話していると山ちゃんに話しかけられた。後ろを振り返ると山ちゃんは少しふて腐れたような顔をしていた。
「俺は伊野ちゃんに好きな人がいると知った時の絶望的な山田の顔、忘れないぞ。」
「うるさい、伊野ちゃんの気持ち知ってたなら教えてくれれば良かったのに!」
俺も山ちゃんと同じこと思った。
てか光はきっと山ちゃんが近くにいることを知ってワザと煽った発言をしたんだろうな、なんて思いながら俺は2人の会話を聞いていた。
「それ、俺が言っちゃダメなやつだろ(笑)でもキッカケを作ってやったんだから今度飯奢れよな。じゃあ俺撮影だから。」
「誰が奢るか!」
光は山ちゃんの肩をポンポンと手を振りながら去っていった。
俺は急に作られた2人だけの空間が嬉しくてスタジオ内をぐるっと見渡して誰も俺たちを見ていないことをいいことに、山ちゃんの頬に手を添えた。
そして俺はみんなに隠れてそっと山ちゃんに軽くキスをした。
『山ちゃん、大好き。』
「いっ、伊野ちゃんっ!」
先程光が言っていた言葉が頭を過った。
確かに山ちゃんって意外に分かりやすいかも。
俺のキスで慌てふためく山ちゃん見て俺は笑顔になった。
そしてそんな山ちゃんが可愛くてカッコよくて誰にも見せたくないなと思ってしまったのは俺だけの秘密。
fin
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ゆっけ(プロフ) - 雪さん» コメントありがとうございます。拙い作品ばかりの中、全作品読んでいただきありがとうございました。次回作も読んでいただけるよう頑張ります!ありがとうございました。 (2018年11月26日 20時) (レス) id: 6c38319326 (このIDを非表示/違反報告)
雪(プロフ) - ゆっけさん、完結おめでとうございます。とても大好きな作品でした。全作品とても大好きです。またやまいのに出会えることを心から楽しみにしています。 (2018年11月24日 21時) (レス) id: 15bd49f13c (このIDを非表示/違反報告)
ゆっけ(プロフ) - けーとさん» コメントありがとうございます。楽しんでいただけたようで本当に嬉しい限りです。次回もけーとさんに楽しんでいただけるか分かりませんが、またお会いする機会がございましたらよろしくお願いします。 (2017年11月19日 23時) (レス) id: bdab3378d2 (このIDを非表示/違反報告)
けーと(プロフ) - 完結おめでとうございます!いっつも楽しみに読ませていただいてました!!ものすごくどきどき、ハラハラしました!また、他の作品でも期待してます! (2017年11月19日 17時) (レス) id: 2633a3dd45 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっけ(プロフ) - 翠さん» コメントありがとうございます!本作品を楽しんでいただけて嬉しい限りです。拙い文章ですがやまいのの今後を楽しみにしていただければ幸いです。私も翠さんの作品更新を楽しみに待ってます。 (2017年10月30日 21時) (レス) id: bdab3378d2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆっけ | 作成日時:2017年8月11日 0時