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『僕はそんなの気にしないよ。』
涼介も伊野ちゃんもなんでお互いのことを思ってそんなに辛そうな顔をしているのだろう。
本当は両思いなのに。
でもそれは僕が言ってあげられることでは無いのだけれど。
「本当…?」
『応援してるよ、2人のこと。』
「ありがとう。でも、俺は山田に嫌われてるから応援してもらっても意味無いんだけどね。」
そしてこの2人、どこまでもネガティブ…。
あんなに以前は涼介の家に遊びに言っていたのになぜそこまで可能性を信じないのだろうか。
『なんでそう思うの…?』
「詳しくは言えないけど、俺は山ちゃんに好きな人を作るよう応援されてるからさ。」
『……そっか』
それは涼介が自分の気持ちに気付いていなかったからなのでは…?そう言ってあげたいけど、これは涼介が伝えるべきことだから僕は言えない。そのことが凄くもどかしくて仕方がない。
「でも俺が好きな人が出来たと言わない限り、俺は山ちゃんのそばにいることができる。俺はそれだけで満足だよ。」
伊野ちゃん、なんて健気なんだろう。
可愛すぎる。鈍感な涼介には勿体無いとすら思えてくる。
でも…
『涼介は伊野ちゃんに好きな人がいることを知っているよ。ヒカと話してた時に一緒にいたから。』
「は…?」
『2人がそんな約束してるなんて知らなかったけど、ヒカには好きな人が出来たことを話してて涼介に話してないとなると、さぞショックだったろうね。てかあの時の涼介、ちょっと暗かったかも。』
「マジかよ…、ちゃんと光に言っておけばよかった。」
伊野ちゃんの声が震えてる。
そして絶望からか顔が真っ青だった。
でも、これがきっかけで伊野ちゃんが涼介に告白してくれればと思っていた。
『ヒカのことより、涼介にちゃんと言った方が良いんじゃない?』
「…そうだよね。」
『大丈夫?』
「大丈夫じゃないけど、色々教えてくれてありがとう。バイバイ…」
『バイバイ』
伊野ちゃんは力無く部屋から出て行ってしまった。
2人の間には何があったのかは分からない。でもここまですれ違ってしまうなんてきっと2人にしか分からないことがあったのだろう。
頑張ってね、伊野ちゃん。
ヒカも僕も本当に2人のことを応援しているのだから。
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ゆっけ(プロフ) - 雪さん» コメントありがとうございます。拙い作品ばかりの中、全作品読んでいただきありがとうございました。次回作も読んでいただけるよう頑張ります!ありがとうございました。 (2018年11月26日 20時) (レス) id: 6c38319326 (このIDを非表示/違反報告)
雪(プロフ) - ゆっけさん、完結おめでとうございます。とても大好きな作品でした。全作品とても大好きです。またやまいのに出会えることを心から楽しみにしています。 (2018年11月24日 21時) (レス) id: 15bd49f13c (このIDを非表示/違反報告)
ゆっけ(プロフ) - けーとさん» コメントありがとうございます。楽しんでいただけたようで本当に嬉しい限りです。次回もけーとさんに楽しんでいただけるか分かりませんが、またお会いする機会がございましたらよろしくお願いします。 (2017年11月19日 23時) (レス) id: bdab3378d2 (このIDを非表示/違反報告)
けーと(プロフ) - 完結おめでとうございます!いっつも楽しみに読ませていただいてました!!ものすごくどきどき、ハラハラしました!また、他の作品でも期待してます! (2017年11月19日 17時) (レス) id: 2633a3dd45 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっけ(プロフ) - 翠さん» コメントありがとうございます!本作品を楽しんでいただけて嬉しい限りです。拙い文章ですがやまいのの今後を楽しみにしていただければ幸いです。私も翠さんの作品更新を楽しみに待ってます。 (2017年10月30日 21時) (レス) id: bdab3378d2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆっけ | 作成日時:2017年8月11日 0時