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「おじゃましまーす。」
『…今日、仕事じゃないの?。』
マジで俺の心臓静まれ。
俺はドキドキする胸を押さえながら、伊野ちゃんを部屋に入れてあげた。
「仕事だけど夜からだから…あっ、なんかいい匂いがする!ご飯作ってたの?」
『あ、うん…まだ完成してないけど、食べてく…?』
「…いいの?俺、山ちゃんの料理大好き。」
大好きなのは俺じゃなくて俺の料理だ。
そんなこと分かっているのに、ヘラっと俺に向けて笑ってくれる伊野ちゃんが可愛すぎて思わず目を逸らしてしまった。
『まっ…まーた適当なこと言って。今日はどうしたの?』
「山ちゃんにどうしても見せたいものがあったのに、なかなか会えないから来ちゃった。」
そう言って、伊野ちゃんは俺に紙を渡してきた。
『…これって。』
「スマホを解約した控え。」
『伊野ちゃん…』
「こんなことで俺がやってきたことがなくなるわけじゃ無いこともわかってる。でも山ちゃんが傷付いた顔を見てようやく自分の愚かさを知りました。もう二度とあんなことやりません。」
『俺…?』
俺が伊野ちゃんを変えたの?
俺は何も出来なかったと思っていたのに。
ヤバい、どうしよう。
すごく嬉しい…。
俺は恥ずかしくて、伊野ちゃんから貰った解約の控えで顔を隠した。
だって絶対顔が赤くなってるから。
「山ちゃんがこれじゃ足りないっていうなら何でもするから言って。」
じゃあ、誰にも恋をしないでずっと俺のところにいて。
『…これだけで十分だよ。ご馳走作るから待ってて。』
そんなこと、言えるわけも無く、俺は伊野ちゃんをソファに座らせて料理を再開した。
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ゆっけ(プロフ) - 雪さん» コメントありがとうございます。拙い作品ばかりの中、全作品読んでいただきありがとうございました。次回作も読んでいただけるよう頑張ります!ありがとうございました。 (2018年11月26日 20時) (レス) id: 6c38319326 (このIDを非表示/違反報告)
雪(プロフ) - ゆっけさん、完結おめでとうございます。とても大好きな作品でした。全作品とても大好きです。またやまいのに出会えることを心から楽しみにしています。 (2018年11月24日 21時) (レス) id: 15bd49f13c (このIDを非表示/違反報告)
ゆっけ(プロフ) - けーとさん» コメントありがとうございます。楽しんでいただけたようで本当に嬉しい限りです。次回もけーとさんに楽しんでいただけるか分かりませんが、またお会いする機会がございましたらよろしくお願いします。 (2017年11月19日 23時) (レス) id: bdab3378d2 (このIDを非表示/違反報告)
けーと(プロフ) - 完結おめでとうございます!いっつも楽しみに読ませていただいてました!!ものすごくどきどき、ハラハラしました!また、他の作品でも期待してます! (2017年11月19日 17時) (レス) id: 2633a3dd45 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっけ(プロフ) - 翠さん» コメントありがとうございます!本作品を楽しんでいただけて嬉しい限りです。拙い文章ですがやまいのの今後を楽しみにしていただければ幸いです。私も翠さんの作品更新を楽しみに待ってます。 (2017年10月30日 21時) (レス) id: bdab3378d2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆっけ | 作成日時:2017年8月11日 0時