大嫌いだったはずの彼【半間修二】

Part６　気に入った ページ7

『…………あれ？』





いつまで経っても痛みがこない。


不思議に思い、目を開けると目の前には大きな背中があった。






「…テメェらマジでつまんねぇなｧ」

『半間くん…！』

「雅ちゃん、ちょっと待ってろよ♡」





振り返ってそう言った半間くんはニヤッと笑って、１０人以上いた不良達をあっという間に全員倒してしまった。




…すごい。



やっぱり有名なだけあって本当に強いんだ。






「はぁー、口ほどにもねぇ奴ら…」

『…半間くん、本当に強いんだね』

「んー？ビビっちまった？」





そう言いながらヘラヘラと近寄って来る半間くん。



先ほどまで不良達をボコボコにしてた人には見えない。





「つーか…俺さっきのAちゃんにゾクゾクした♡」

『はぁ？』

「あんな暴言吐くなんてさ♡」





…たしかに、普段なら考えられないかも。



でも、こういう腐った人間は大嫌いだ。






『嫌いだから…こういう人達』

「へぇ〜、怖くねーの？」

『怖くない…と言えば嘘になるけど、こんなクズには負けたくないと思う』






自分でも本当に厄介な性格だと思うけど…



自分で自分を殺したくない、自分が正しいと思うことをしたいから。






「ひゃは♡初めて会った時からおもしれぇとは思ってたけど…いいなお前」

『…？？』

「気に入った♡」






そう言うと、半間くんは私の肩に手を回し、グッと引き寄せてきた。







『ひゃっ！？』

「Aちゃん、俺の女になれよ♡」

『…はぁ？』

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