【ＫＺ】隠し事してるでしょ

け ページ5

「……ねえ、もうここ最近ずっと思ってたんだけど」









自分でも、今私は拗ねている声なんだと自覚していた。









みんな、私に何か隠し事してる。









それが仮定だとしても、私はもう我慢なんてできなかった。









「みんな、私に隠し事してない？」









全員が固まった。









「隠し事？なんだそれ」









上杉君が否定の旗をあげる。









「僕たちが隠し事なんてするわけないよ」









小塚君が、私の様子をうかがいながら小さく言った。









私は一番怪しい若武をじっと見つめた。









「怪しすぎるよ。絶対隠し事してるでしょ」









「何言ってんだよ！」









「してるでしょって聞いてるの！」









私が一層強く言うと、一瞬若武は言葉に詰まった。









「し、してねえよ！」









あまりにも不自然な言動に、もう私は頭に昇った血を









元に戻すことが出来なかった。









「酷い………仲間なのに！」









「……えっ！いやちょっ！」









部屋を出ていこうとする私に、若武が焦ったように止めに入る。









「もう知らない！」









「違うんだって！」









気まずい顔で傍観していた他のみんなも私を止めようとした。









「触らないで！」









とっさに出た言葉。









言った直後に後悔が私を襲ったけれど、後戻りすることは出来ない。









私の拒絶に呆気にとられているみんなを振り払って、









私はうつむきながら若武の家を出た。









………ふん、もう良いもん。

ど→←る

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