(35)◎◎ ページ35
◎◎貴方side
...もうすぐ9時になる、そろそろ来るかな
緊張でお腹痛くなって来た...
ピンポーン、とチャイムが鳴った。
誰かも確認せず、玄関へ向かった。
｢おはよう、Aちゃん｣
｢りょうくん、おはよう｣
｢ちゃんと誰だか確認しなきゃよ？｣
ごめんごめん！って私は笑う。
こんな関係になれるなんてなあ、思いもしなかったよ
｢じゃ、行こうか｣
りょうくんは私の手を引いた。
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｢運転、お願いします｣
りょうくんは笑顔で頷いた。
ちなみに、りょうくんの今日の服装はTシャツにお気に入りのジーパン。
シンプルなんだけれども品を感じる。
私はそんなりょうくんの横を歩けるような服はあいにく持ち合わせてなかった。
昨日急いで買いに行ったのは内緒。
いつもりょうくんに会う時は仕事終わりで髪はボサボサでメイクも崩れた最悪の状態だった。
今思うとほんと酷いなあ...
だから、今日ぐらいはちゃんとしたかった。
｢Aちゃん、髪下ろしてるの初めて見た｣
｢そうだよね！いつも後ろでまとめてたしね｣
｢かわいいよ、下ろしてるのも｣
こんなことサラッと言えてしまうんだよりょうくんは。
慣れてるんだろうな、何回目なんだろう。
ついそんなこと考えてしまった。
｢...Aちゃん？｣
気づけば信号は赤になっていてりょうくんはハンドルに手を掛け、私の方を見ていた。
｢どうしたの？何考えてたの｣
｢あ、いや！なんでもないよ！ちょっとぼーっとしてた｣
｢そっか、ならいいけど、さっきの顔、かわいかったよ｣
｢...！見んで〜！！？｣
信号は、青に変わった。
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作者名：ミンヤ | 作成日時：2019年5月31日 22時
