青色の彼にひかれて。【東海オンエア】 (ページ29)

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Aちゃんと付き合ってから初めての撮影日。
いつもの様にてつやの家には早めに着く。虫さんもだ。
としみつもしばゆーも通常通り遅刻。ゆめまるは今日はお休みで、てつやもどうせまだ寝てる。

さて、てつやを起こしにいくか...
携帯とコップを握り、水を汲もうと思った時、

｢りょうくん、なんかいい事あったでしょ｣

｢え？｣

虫さんのいきなりの発言にびっくりした。
どうして？と聞くと、なーんか嬉しそうだったからと笑う。

ほんとにカンのいい虫だよ。

｢もしかして、あの時の女の子？｣

丸い机にパソコンを開いて作業していた虫さんだがこの時は手を止め、俺を見ていた。

俺も水道のレバーに掛けた手が止まる。

本当にこの人には全然バレバレだな、

言うか言わまいか迷った。
けど、何言っても疑われるから。
きょろっとドアの方を見た。誰も来てない、

｢うん、そうだよ｣

虫さんはやっぱりって顔をした。
ご飯行って仲良くなったの？と聞かれたので、いや付き合ったよ、って言ってやった。

さすがの虫さんもそこまで行ってるとは思わず、逆に驚いていた。

｢...でも視聴者さんだよね？｣

｢いや、あれは友達の付き添いだから。友達に勧められて少しは動画見てたみたいだけど。｣

俺らはこうやってYouTuberとして活動してると視聴者さんと付き合う、なんて少し批判されたりする。
虫さんはそれを心配したのだろう。

｢でも良かった、りょうくんが幸せそうで｣

この時には虫さんは作業に戻っていた。

俺そんなに嬉しそうか？
そう考えると口角が上がる。
上がった口角を虫さんに見せないように、そっと部屋を出た。

そして、思った
Aちゃんは俺が護らないと。