Lv.23 ページ26
どうやらヤンデレ共は懲りていないようで夕食を終えた私は自室でスマホで"ヤンデレ 対処法"と調べた。
「えー……これって愛された側は我慢しろみたいな感じじゃん、つら」
"相手のことを否定しない" "2人の思い出は残しておく"
どうやら、愛された側と書いて被害者と読む者は"自由"という言葉を脳内の辞書から抹消した方がいいっぽい。
そんなカイ●みたいな世界……地下労働でもしろってかぁ？
『どうしてなんだよぉぉぉ』と嘆く鏡に映った私の顔は藤原●也が憑かれたようだった。
「はぁー……」
ベッドに横になり天を仰ぐ。
明日の小テストの勉強をしないとなぁ。
クラスで陰キャじゃないけどぼっちを極めてる私はそれなりの成績を残さなくてはチーム一軍陽キャに笑われると感じている。
ものすごい偏見だろ？知ってる。
「……ん？」
ベッドの隣にある棚に目がいった。
棚の上にはぬいぐるみが沢山積まれている。
「こんなぬいぐるみ、あったっけ？」
黄緑色のリボンが巻かれたクマのぬいぐるみ。
何かがおかしい。
「……うわっ……」
ぬいぐるみの顔を見つめていると気づいてしまった。
このまま気づかない方が気が楽だったかもしれない。
「おいおいおい、カズナリミヨシか？なんですか、このぬいぐるみ。
目にカメラついてますけど？」
ぬいぐるみの目についていた小型カメラ。
これは盗撮。
Do you Know Tousatu？
映画館やないのよ？
一「せいかーい、よく気づいたねAちゃん」
ドアが開け放たれて登場したのは三好一成容疑者。
「あ、あはははは……すごいですね、このぬいぐるみ……手作りですか？」
一「うん、そんなに難しくなかったよ」
「ちなみに盗撮っていう単語は知ってる？」
一「うん。それがどうしたの？」
「これ盗撮ですよ？」
そう言ってカズナリミヨシにぬいぐるみを渡すと、彼はクスッと笑った。
一「盗撮じゃなくて、観察だよ？」
どうやら私は夏休みの宿題のひまわりだったようです。
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作者名：天然塩キャラメル | 作成日時：2018年8月30日 17時
