マルフォイ家物語・・・プロローグ編２ (ページ45)

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魔法薬学の授業４ページ45

セシルと二人で作業した結果、クラスで一番早く、そして一番正確えいるものが出来上がった。周りを見回してみても、まだ半分の工程も終わっていない上に、いくつかは何が出来上がるか分かったものではないものもある。
「ほう、ミス・マルフォイとミス・ノットが完璧に調合したようだな」
　そう私たちを褒めてくださる。この程度で褒められても困るのだが、まあ、褒められてうれしいのはうれしい。
　内心うれしく思っていると、ふと視界の端に、とんでもない光景が見えた。
　先程先生に当てられたロングボトムが、山嵐の針を大鍋を火から降ろさないうちに投入しようとしている。
　あれをやると、鍋が割れてしまい、中身が周りにこぼれてしまうのだ。
　私はそれを視界にとらえた瞬間、セシルを守るべく、保護呪文を展開し、私とセシルを魔法で覆う。
　そして次の瞬間、丸顔の鍋が割れ、中身があたりにまき散らされた。
　皆悲鳴をあげ、椅子の上に避難することで被害は最小限にとどまった。
　だが丸顔は大鍋の中身をモロに被ってしまったようで、全身に真っ赤なおできを噴き出している。
「バカ者！」
　教授が怒鳴り、魔法の杖をひと振りすることでこぼれた薬を取り除いた。
「おおかた、大鍋を火から降ろさないうちに、山嵐の針を入れたな？」
　そんな風に説教をしている教授をしり目に、私はセシルの安否を急いで確認していた。
「セシル、怪我はない？」
「うん、レイラのおかげで大丈夫。それにしても、あのロングボトムの馬鹿は、教科書すらまともに読めないの？」
　セシルと話している間に説教は佳境になったのか、
「この馬鹿を医務室に連れていけ」
　教授はロングボトムとペアをしていた生徒に言い放つと、ロングボトムの隣で作業をしていたウィーズリーとグレンジャーに怒りの矛先を向け始めた。
「ウィーズリー、グレンジャー、針を入れてはいけないと何故彼に言わなかった？彼が間違えば自分の方がよく見えると考えたな？グリフィンドールは４点減点だ。」
　彼らの受難はまだまだ続くらしい。