マルフォイ家物語・・・プロローグ編２ (ページ39)

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フレッド・ウィーズリー１ページ39

時刻は午後六時。大広間は夕食をとりに来た生徒たちで賑わっていた。レイラとアニーも例に漏れず、スリザリンのテーブルで二人肩を並べ、仲良くローストチキンをつついていた。
「シュタレイン先生の授業でウィーズリーはあなたに負けていたけど、『スリザリンなんかに負けるはずない』そう思はずにちゃんと戦ってれば、また違う結果になってたかもね」
　アニーの的確な分析に、レイラがため息をついた。
「点数がかかっていなければどうでもよかったわ。でもこれで私、槍玉に挙がったままよ」
「でもこれで寮杯獲得へとまた一歩近づいたわ」
「確かにそうね」
　アニーの慰めの言葉のおかげで少し元気が出た。
「それにしてもレイラ、あなた優秀なのね……今日は驚かされっぱなしだったわ。『武装解除』を成功させたかと思ったら次の瞬間男子相手に怯まずに決闘していたんですもの」
「まあ闇に対する防衛学はもとから興味ある学科だったし、あなたがそばにいてくれたから」
「もう、何言ってるの。あなたの実力よ。はあ、全く、あの人たちにもレイラの謙虚さを見習ったほうがいいわ」
　アニーと夕食を食べながら雑談していると一通の手紙がレイラにめがけて飛んできた。
「親からの手紙？こんな時間に珍しいね」
　アニーはこの手紙を私の親からの手紙だと思ったようだが、実際は違った。
　手紙の裏に書いってあった名前はフレッド・ウィーズリーからだった。
　寮に帰って開けて読んでみるとどうやら8時に指定の場所に来てほしいようだ。
　いったい何を私に伝えるつもりなのだろう。
　まさか今日ことに関してまだ怒っているのだろうか。
　よくわからないが、無視をしてずっとモヤモヤするのも嫌だし、話を聞くことにするか。
　私はその夜ウィーズリーに指定された場所に向かった。

　レイラが指定された場所にたどり着くとそこには先にフレッドがいた。
「ウィーズリーさん一体話って何ですか？」
　レイラに声をかけられると、フレッドは決心したような面持ちで顔を上げた。
「……マルフォイ、僕は君に口論をするためにここで待ってたわけじゃない」
「……そう？」
「今日、僕は君に負けた。スリザリンの君をグリフィンドールの僕が叩き潰すつもりが、こっちが完膚なきまでに鼻をへし折られた」
　心底悔しそうに顔を歪めて、フレッドは言葉を絞り出す。だが、その視線は逸らされることなくしっかりとレイラに向けられていた。