闇に対する防衛学の授業１ ページ34
ホグワーツでの生活になれたある日、ついにその日がやってきた。
それは入学式があった次の週の木曜日。
私は正直、この学校に来て一番楽しみにしていた授業が『闇の魔術に対する防衛術』だった。
闇の魔術を愛する自分としては、その対抗手段も研究内容の一環であり、さぞ初歩的ながらも勉強になることだろうと思い、非常に楽・し・み・に・し・て・い・た・。
そう、楽・し・み・に・し・て・い・た・。
この時までは。
最初に違和感を覚えたのは、闇に対する防衛学の教室のある廊下だった。
何故か先に授業を受けた２年のスリザリン生が全員ぐったりしてしまっていた。
「二人ともなにかあったの？」
まだ午前の授業だというのに何事かと思い近くにいたマークとジェフに聞くと、
「あれは・・・ちょっとやりすぎてたな」
「今・年・も・まともな授業を期待でないな」
答えになっているようななっていないような返事がかえってきた。一体どういう意味なのか聞こうとしたちょうどその時、始業開始の５分前を告げるベルが鳴り、二人は慌てて次の授業の教室へと向かった。
教室に入り、始業のベルが鳴ると、精悍な顔をしたのいかつい中年教師が入ってきた。横幅が今の私の3倍ほどあり、その肉体は筋肉で引き締まっている。正直言って暑苦しい。顔は傷だらけで、死線を幾度もくぐってきたのだろうと想像できた。
「皆の衆、注目！私が闇の魔術に対する防衛術を担当する、ロレンス・シュタレインだ。さて、諸君にはまず最初に言っておくことがある……。それは、私の授業は完膚なきまでのスパルタだということだ。この授業で君達は、日に日に大きくなってゆく闇の勢力と戦うための術を身につけなければならない。そのために私はたとえ一年生だろうとも、厳しい訓練を容赦したりはしない！皆心して授業に臨むように！！」
筋骨隆々のその腕を振り上げ、唾をまき散らしながら行われたその大演説を、生徒たちはみな一様にぽかーんと口を開けて聞いていた。
シュタレイン教授は熱血でマクゴナガル教授同様生徒に対して相当厳しく、闇の勢力の進出がいかに顕著になってきているかを口癖のように語っていた。それに合わせて生徒も自分の身は自分で守れるようにならなければならないと主張していたのだ。それこそホグワーツを闇払い育成所と考えているのでは？と疑う位に。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 9人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：尾崎紅葉 | 作成日時：2021年2月22日 9時
