マルフォイ家物語・・・プロローグ編２ (ページ27)

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初めての授業３ページ27

朝食を食べながら三人に言う。
「三人とも、彼らと仲良くしろとは言いませんが、あのように突っかかっていくのはどうなのかと。貴族らしからぬ行為です。あの手の連中とも表面上は冷静に付き合わなければいけません。私の父だって、あのウィーズリー家と表面上は冷静に付き合っています。まあ、会えば嫌味の一つくらいは言っていますが……それでもいきなり喧嘩を売るようなことはないはずですよ」
「気を付ける……」
「申し訳ない……」
「反省してる……」
　三人にも一応御自覚はあるらしい。
　お父様もいつもはクールに対応しているのだが、時折顔に青あざをつけて帰ってこられることがある。なんでも冷静になり切れず、いい大人が殴り合いの喧嘩をしたらしい。
　少しハプニングもあったが、何とか朝食を食べることができほっとしていると、スリザリンの寮監と思しき育ちすぎた蝙蝠のような男が、授業予定の紙を一年生に配っていた。
「あの人がセブルス・スネイプ教授？」
「うん、私達のテーブルに予定を配っているということは、おそらくそうだと思う。」
　そうジャニスと話し合っているうちに、どんどん彼は私たちに近づいてくる。
「お前がルシウス・マルフォイ氏の娘か？」
「はい、そうです」
「ルシウスから聞いている。何かあれば吾輩を頼るがいい」
　そう私に短く言い残し、授業予定を手渡すと次の生徒に予定を渡しに行ってしまった。
「いい教授そうね」
　ジャニスと今の会話を聞いていたセシルが喜ぶのを見ながら、私は少し彼を警戒していた。
　一瞬ではあるが、私のブレスレットを見て警戒した様子だったのだ。
　表情自体はうまくごまかしていた。
　だが、視線だけはごまかせない。
　その視線は偶然とは言えないほど長い一瞬の時間、確かに私のブレスレットに注がれていた。
　いくらお父様の友人とはいえ、やはりあまり気を抜かない方がよさそうだ。
　私の正体を悟られないように、適度な距離を保つ必要がある。