マルフォイ家物語・・・プロローグ編２ (ページ25)

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初めての授業１ページ25

レイラ視点

　ノロノロと眠たそうに準備をする二人をしり目に、アニーが話しかけてくる。
「ねえ、レイラはどの授業を楽しみにしてる？」
「う～ん、どの授業も楽だけど、特に闇の魔術に対する防衛術かな。アニーはどうなの？」
「私もレイラと同じだよ。なんかかっこいいし！」
　そう言って目をキラキラさせている彼女を見ながら、
　やはり昔からとても元気な子だな。
　と、昨日思っていたことを再確認するのだった。
　ジャニスとセシルが準備を終え、同じ部屋の皆で談話室に降りる。
　そこにはマーク、そしてジェフ、その他にも二人の男の子がいた。一人は痩身で、なんだか軽そうな雰囲気をだす子だ。もう一人は黒人で寡黙そうな男の子
「おはよう。マーク、ジェフ」
「ああ、レイラ。よく眠れたか？」
「ええ、ベッドがよかったのか、ぐっすりとね」
　そう挨拶しあっていると、
「フリント……」
　そうマークの横にいた二人が何かせっついている。
「ああ、分かっている。レイラ、こっちは僕らと同じ聖２８一族のギルバート・マクミラン。そしてこっちは、家格は劣るが、同じ純血のエイドリアン・ウルクハートだ。二人とも僕と同じ部屋でね」
「へえ、そうなんだ。初めまして、マクミランさん、ウルクハートさん。私はレイラ・マルフォイといいます。以後お見知りおきを。よろしくお願いいたしますね」
「こちらこそよろしく。俺のことはギルと」
「……ええ、私のこともレイラとお呼びください」
「俺のこともエイドとお願いします」
「わかりました、エイド。……あなたもレイラと呼んでください」
　そう挨拶をかわす私たち。
　だが……私は二人とそこまでよろしくするつもりはない。
　理由は二人の目だった。
　私を見る目もどこか媚び、探るようなものだった。
　マクミランは聖２８一族だけあり、私の噂のことを聞いているのだろう。
　マルフォイ家の娘である私に会ったら、親しくしておけとでも両親に言われたに違いない。
　性格は寡黙そうなのにご苦労なことだ。
　もう一人のウルクハートの方は、私が純血だからというより私自身を狙っているような眼をしていることから、家に言われたというより純粋に私を狙っているような気がするが。
　そんな二人にお父様たちから戴いた『レイラ』という名を呼ばれるのも不愉快なのだが、ファーストネームを言われた以上、私もそうするほかない。ここで波風を立ててしまったら、それこそマルフォイ家、そしてお父様の迷惑になってしまう。ここは我慢するしかないか。
　８人という大所帯で大広間に向かう。