花火大会 5 ページ5
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その後、適当にその辺をブラブラと回った私たち。
たこ焼きの他に焼きそばやポテト、りんご飴、綿あめやら様々なものを買い、今は何故かみんなで射的をしていた。
とは言っても私と小塚くんは見学だけどね。
「おいアーヤ、どれが欲しい?」
射的の銃に弾を詰めながらこちらを振り向いた若武たちをきょとんと見つめた後、景品に目を向けた。
うーむ。どれがいいかなぁ。
じっと考え、最終的に一番端にあった小さなクマのぬいぐるみのストラップ。
目がクリクリしていてとっても可愛いんだ。
「おっし。じゃあ、あれ取れたヤツが勝ちな!」
そう言ってわーわー騒ぎ出す男子たち。
何だか楽しそう。
小塚くんと顔を見合わせて小さく笑う。
そして、結果クマのストラップを取ってくれたのは黒木くんだった。
ジャンケンで順番を決めたらしいんだけど、黒木くんがトップバッターだったんだ。
つまり、一番最初に勝者が決まってしまったってわけ。
おかげで若武たちはブーブー文句ばっかり。
もう、ガキなんだから。
内心そう呆れながらも黒木くんにお礼を言って、またその辺を回り始めた。
そして、そろそろ会場に向かおうか、ってなった時、若武が勢いよく私たちの方を向いてニヤッと笑ったんだ。
「諸君、これから俺のとっておきの場所に案内する。着いてこい!」
そう威張りながら歩き出した若武。
そしてそれを見て嫌そうな表情を浮かべて盛大な溜息を零した上杉くんに私たちは苦笑して 何だろうね などと話しながら追いかけた。
どんどん遠ざかる人混み。
何故か沢山の木々に包まれた階段やらなんやらを登ったりして本当に大丈夫なの と心配になった矢先、上杉くんが若武に声をかけた。
「おい、若武。お前一体どこに行くつもりなんだ。本当にこっちなんだろうな。お前、方向音痴なんだから気をつけろよ。」
「大丈夫だって。俺を信じろ。」
そんな言葉を撥ね付けるように言うと鼻歌でも歌うように軽やかに歩いていく。
お前だから信じられねぇっての と言う上杉くんの言葉も知らず...
そうしてその大体5分後。
私たちは少し高台になっている場所のある公園に辿り着いたんだ。
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名無し - セダムさんのbirthdayシリーズ、大好き!これからも頑張って! (2019年8月15日 19時) (レス) id: ca44c89321 (このIDを非表示/違反報告)
セダム(プロフ) - なんなさん» ありがとうございます(^^)黒木くんのお話、色々考えてみますね! (2019年8月15日 17時) (レス) id: 188dd23746 (このIDを非表示/違反報告)
なんな - もう、最高!!黒木くん、大好き!他の話もどんどん書いてください! (2019年8月15日 17時) (レス) id: 9359a1f9be (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:セダム | 作成日時:2019年8月15日 0時