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NOside
『情報歴史資料館』を引き上げ、神奈川との連合の部隊を解散した図書特殊部隊が図書基地へ帰還したのは三時過ぎだった。
基地では既に引き取り資料の整理が始まっており、図書特殊部隊はその装備の解いて事務室へ戻った。
「後は、笠原と田辺が戻れば全員帰還か」
玄田が言いつつ時計を見上げる。
告別式は終わっている頃合いだ。
そろそろ稲嶺の帰還報告が入る頃だろうと思われたタイミングで内線がなった。
受けて応じながら玄田の顔が険しくなった。
室内の空気が瞬時に張りつめる。
危機的な空気に疎い者はこの場にいない。
電話を切った玄田が全員を振り向いた。
「告別式会場で稲嶺司令官が不審者に拉致された。
笠原も田辺も一緒だ。」
ガタンと耳障りな音が鳴った。
一斉に振り向かれてしばらくして、堂上はそれが自分が椅子を蹴倒した音だと気づいた。
──────────────────────────
堂上side
「……あ、」
何か言おうと開いた口は結局何も言葉を選ばず閉じた。
自分が何を口走るつもりだったのか結局何も言わなかったので分からない。
側から小牧が席を立ち倒れた椅子を起こしてから俺の肩を押さえた。
強く膝を折らせるような圧力で添えられた椅子に座らされる。
冷静に見える小牧も手が震えている。
────頭が冷えた。
「すみません。続きをどうぞ」
玄田をまっすぐ見据えて詫びると、玄田が目で頷いてから状況の説明を開始した。
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オムライス(プロフ) - 田中圭くんにハマって一気に読みました!続き楽しみにしてます! (2020年9月26日 8時) (レス) id: 3df1040212 (このIDを非表示/違反報告)
ハリネズミブー - 楽しく拝見させて頂いています!大変かとは思いますが、続きを期待しています!応援しています! (2020年6月4日 4時) (レス) id: b581b337c6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きぃ太 | 作成日時:2019年9月22日 9時