図書館戦争 初めての気持ち3

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4階建ての『情報歴史資料館』の最上階に警備本部は移された。

館内に押し込まれるのももはや時間の問題で、後は1階ずつ後退して時間を稼ぐことになる。
こうなってくると屋上の狙撃班もその威力は半減だ。

一階を放棄したところで第二便が到着した。
一便同様、負傷者とコンテナを回収して去る。

良化特務機関の猛攻は凄まじく、二便が飛び立つまでのわずか二十分で図書隊はさらに二階を放棄させられることになった。

「よし、そろそろ頃合だな」

ヘリの離陸報告を受け、玄田は本部内に怒鳴った。

「任務完了！ただいまより状況を畳む！」


「関東図書隊より良化特務機関へ！関東図書隊は一二四〇時を以て当館に残された全資料に対する権限を放棄する！
繰り返す！関東図書隊は一二四〇時を以て当館に残された全資料に対する権限を放棄する！
答申には内線〇三番を使用せよ！」

館内放送を使った玄田の宣言に、館内を満たしていた銃撃音が徐々に終息した。

やがて、本部としていた会議室で電話がなった。
断続的なコールは内線のものである。
玄田がスピーカー機能で受けた。

「“良化特務機関より関東図書隊へ。三十分の猶予を与える、一三一〇時までに当館を退去せよ。退去後の再入館はこれを一切認めない。
また、コンテナ・袋類は全て持ち出しの際に当隊にて中身を改めるものとする。以上”」

一方的な通告で電話は切れ、玄田はその通告を館内放送で隊に指示するよう副隊長に命じた。

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