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堂上side
耳をかすめる銃声は攻撃か援護か。
どちらにしても怯えて足が鈍れば捕らわれる。
倒れた姿勢のままで固まっている隊員の下へ、ほとんど滑り込むようにたどり着いた。
情態を聞くような無駄は打たずに退院の体の下へ肘を突っ込んで浮かせ、一気に肩へ担ぎ上げる。
さすがに重さで足が鈍る。
仲間の援護を信じるしかない。
できるだけ姿勢を低く保つが、方に大の男を一人担いでいる状態ではその保った低さで膝が折れそうになる。
そうでなくても打たれた隊員は自分より体格がいい。
最後の辺りはさすがに膝の位置も高くなった。
出入り口には文字通り転がり込んだ。
担いだ隊員を下ろす余力はなく投げ出し、自分も潰れてあえぐ。
「堂上っ!」
こんな時でもないと滅多に聞けない小牧の怒鳴り声に、片手を降って無事を示した。
さすがに声が出ない。
「……員、は、」
ようやく体を起こしたが頭がかすれて消えた問に小牧が答えた。
「退院は無事だ、新たな被弾もない。応急処置に回された」
よし、義務は果たした。
俺はもう一度潰れ直した。
膝が笑って直ぐに立てない。
貪るように喘ぐが欲しいだけの空気がなかなか肺に行き渡らない。
奴らならこんな苦労はいらなかったな、
自分で外したくせに勝手な比較をした。
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オムライス(プロフ) - 田中圭くんにハマって一気に読みました!続き楽しみにしてます! (2020年9月26日 8時) (レス) id: 3df1040212 (このIDを非表示/違反報告)
ハリネズミブー - 楽しく拝見させて頂いています!大変かとは思いますが、続きを期待しています!応援しています! (2020年6月4日 4時) (レス) id: b581b337c6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きぃ太 | 作成日時:2019年9月22日 9時